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乙女ゲーム(携帯 PC DS PSP)のプレイ日記です。 文末に「瑛君とののの物語」というお話も掲載中。 気が向いた時、思ったことを綴っていこうかな~って思ってます。 だからきっと更新も話題もバラバラになると思います。 こんなブログですが温かく見守って下さい! *ネタばれ、セルフありです!
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皆さん、相変わらず暑い日が続いてますね。
体調を崩してる人も多いようなので、気をつけて下さいね!
 

さて、先週末は年に2回の恒例行事(?)夏の家族旅行に出かけておりました。
金曜日の早朝から出発し、日曜日の夜に帰ってきました。
2泊3日の旅。
今年は、長女の強い要望によって、TDRに。
夏のイベントとか面白いものがたくさんあって、ホント楽しかったのだけど
やっぱり暑い…。
それに、疲れる度合いは半端じゃないですね…。
 

ゲーム好きの私が、DSを持っていったにも関わらず
大好きな設楽先輩の起動ボイスを聴くだけだったんですよ、この3日間。
プレイし出したら、10分も経たないうちに、眠りの世界に行ってました。
 

ってことで、今週はゲームネタのブログが書けません。
それに、GS2のSS『瑛君とののの物語』も書けていません。
すみません…。
ってことで、何を書こうかと…。
 

、『珊瑚礁の鍵やっともらえたよ…』の話をしようかな…とwww
この話、知ってる人は知ってるのだけど。
 

数年前(ちょっとよく憶えてなくて…)コナミさんの通販で
ときメモGS2のグッズで『珊瑚礁の鍵のネックレス』を販売していたんです。
当時はまだ、生産が決まってなくて何万人(だったかな?)から
予約が入ったら生産するってことでした。
で、私も張り切って、予約して生産・販売になるのを心待ちにしてました。
 

で、確か最初の頃は、気にして頻繁にそのサイトをチェックしてたのだけど
中々動きがみられす、半ば諦めた感じで忘れかけてました。
 

ある時、何か検索しているときに、『珊瑚礁の鍵のネックレス』販売開始の情報を知って
慌ててサイトに行ったのですが…。
すでに、売り切れ状態でした。
あーー…あんなに楽しみにしてたのに…。
凄く残念で落ち込んでたんですよ。
 

その悔しい思いから、また数年経ったある日、「再生産するかも?!」の記事を見つけて
もう即、予約を入れました。
今度こそは、絶対に見逃さないぞ!って。
また、今回も、人数が集まったら…ってことだったので。
 

それで、今回は、細心の注意を払って、再生産になるのを待って
登録メールアドレスに注文OKの連絡が来ると同時に注文しました。
そして待つこと数か月…。
きました!!念願の『珊瑚礁の鍵のネックレス』
(もう、数か月前の話なのですが・・・)

 


そしてドキドキして中を開けてみると…
       これ
        ↓

DSCF0089.JPG

 

 















な、な、なんと、瑛君にメッセージつき!!
もう嬉しくって、手が震えてしまう…。
それに中のメッセージが瑛君らしくてwww
(ってか、瑛君ってこんな字を書くのね…)
 

しかし、ここでひとつ問題が…。
実は私、金属アレルギーで、指輪とネックレスが出来ないんです。
だから、『珊瑚礁の鍵のネックレス』がこのままでは使えない。
どうしよう・・・
 

それで考えたのが、ピアスかブレスレットか携帯ストラップへの加工。
本当はピアスがいいのだけど
この高額商品を2個も買えない…。
ブレスレットかストラップか?


 

今回は、こっちにしました。
    ↓

DSCF0090.JPG

 

 




















ネックレスのトップだけだと寂しいので、クローバーの貝殻をつけてみました。
貝殻なら違和感ないかな?って思ってね。
我ながら、とっても気に入ってますwww
だたの自己満足だけどねwww)
 

でも、これ…よく考えてみると…とっても高いよね。
何も知らない人だったら、100円ショップで買ったって言っても納得しそうwww
そう、冷静に見てみると…。
 

しかーし、この『珊瑚礁の鍵のネックレス』には、原価だけではなく
私にとっては、『夢』という付加価値がついてるんです。
だから、どれだけ高くても買っていたと思うんです。
それくらい、私にとってはこの『珊瑚礁の鍵のネックレス』大切なものなんです。
 

そして、これを見るたびに、手に渡されるあの瑛君の告白シーンを思い出すんです。
これを持っていたら、いつか瑛君と【喫茶珊瑚礁】ができると思ってwww
 

本当に欲しくて欲しくてたまらなかったもの…
手に入って、私…幸せですwww
大切にしますね!

 

「ありがとう!瑛君!夢をありがとう…。」


すみません、今回は、こんなどうでもいい話題になってしまって。
「げっ、気持ち悪い…」なんて、引かないで下さいね…。
 

さて、今週はどーしよ・・・?って考えてたんだけど
実は、『薄桜鬼・随想録』が今日届いてどーしようか…と悩んでます。
………うーん。
甘ーい薄桜鬼やってみたいんだよね…。
 

ってことで、設楽先輩の親友バージョンはちょっとお預けにして
ここで薄桜鬼を入れたいと思います。
 

何だか、中途半端にかじったゲームが増えていって
収集がつかなくなりそうだけど…。
でも、時間かけて全てコンプはしたいと思ってます。
それでは、来週は薄桜鬼ネタで会いましょうwww
 

こんなしょーもないネタに付き合って下さってありがとうございました。
来週はちゃんとした記事書きますねwww

拍手

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 本当は1ページに収めたかったのですが
文字オーバーということで、2ページ目に続きを載せました。
よろしければ、続きをお読みくださいね!
 
 
 
 
 
==================================
【瑛君とののの物語】
佐伯瑛誕生日企画:もうひとつのSTORY~20年目の奇跡~
 
 
ののは慌てて振り返った。
そこには、すらっと背の高い、こんがり日焼けした肌にアッシュ色の長めの髪。
切れ長の目に、すらっした鼻、整った薄めの唇の男性がたっていた。
 
「どうして黙ってるの?」
 
「えーと、あの・・・わたし。」
 
「・・・。」
 
その男性=佐伯はののをじっと見つめていた。
 
数秒の出来事だったのに、ののにはとてつもなく長い時間に感じられ
頭の中は、現実が把握できなくて混乱状態なのに、見つめられているという
恥ずかしさで、完全にパニック状態に陥っていた。
 
「ご、ごめんなさい!勝手に入ってしまって・・・」
 
どうでも良い言葉が口から発せられる。
 
「別に。ここ、誰が入ってもいいはずだし、俺の所有物じゃないから。」
 
「あ・・・そうなの?」
 
「お前、ここで何してるの?」
 
「えーと、今日、会社を休んだから、
ちょっと散歩にでも行こうかな・・・って思って。」
 
「ふーん、お前、散歩にわざわざこんなところに来たわけ?」
 
「うっ・・・変だよね。」
 
「多分。会社サボってまで来るようなところじゃないだろ?」
 
「サボってないよ・・・」
 
「ばーか、ばればれ。
普通の会社員だったらこんなとこわざわざ休暇取ってこねえだろ。
さぼった時に何となく来る決まってる。」
 
「そっか・・・」
 
ののは、最初話し掛けられた言葉が、懐かしいフレーズを辿ったので
「もしかしたら・・・」と思っていたが
今の現実的な会話のやりとりで「そんなわけはない」という思いに傾き、
どにかくここから逃げ出したい衝動に駆られていた。
 
(どーしよう、もうここから離れたい!この人誰なんだろ?)
 
「・・・。」
 
「あの、ごめんなさい!
私、用事を思い出したので、これで失礼します!」
 
とにかく、ここから離れたい一心で鞄を持って駆け出そうとした。
 
「おい!」
 
「はい?」
 
「これ、忘れ物じゃない?」
 
ののが振り返ると、買ってきたケーキの箱を差し出されていた。
 
「あっ・・・ごめんなさい。忘れ物です・・・」
 
そう言って、ケーキの箱に手を伸ばすと、佐伯は
突然、その手を掴み自分のほうへと引き寄せた。
 
「お前、人魚だろ?」
 
「えっ?」
 
ののの脳裏に、先ほど、自分の考えからかき消した懐かしいフレーズがまた、蘇ってきた。
(やっぱり、この人、もしかして???)
 
ののと佐伯は、暫くの間、お互いの顔を見つめていた。
 
もうひと引きされれば、口付けしそうな距離間に気付いたののは
慌てて、手を引き抜こうとした。
 
しかし、その手をまたグイッと引かれ、ののは、一歩も動けなくなった。
 
「まだ、思い出さない?」
 
「・・・。」
 
「柊ののさんでしょ?」
 
「何で、私の名前を知ってるの?」
 
佐伯は、掴んでいた手を、ゆっくりと緩めると、ニコリと笑って言った。
 
「だって、俺、お前のこと見つけるって約束しただろ?」
 
ののは、その言葉を聞いて、驚きよりも、何故だか、懐かしい、嬉しい気持ちになり
見開いた大きな瞳から、ポロポロと涙が溢れ出てきた。
 
「あなたは、あの時の?」
 
「そうだよ。」
 
すると、佐伯は、もう一度、ののの手を軽く引き寄せ、
ゆっくりと顔を近づけてきた。
 
ののは、魔法にかかったように身動きできずに、佐伯から目を離すことができなかった。
 
ののの唇に、暖かい柔らかな感触がしたかと思うと、それはすぐに離れてしまった。
 
「俺、お前にこうしてキスしたよね。」
 
「う、うん。そうだったね。」
 
「その後のことは、憶えてる?」
 
ののは、どんどん溢れてくる涙を抑えることができなかった。
次々溢れる涙を、佐伯が優しく暖かい大きな手で、ぬぐって
ただただ首を縦にふることしかできないののに優しく言葉をかける。
 
「なぁ、そんなに泣くなよ。俺はずっと憶えてたよ。
お前も約束してくれたんだよな。
20年後の今日、お祝いしてくれるって・・・」
 
そうして、あの時ののが渡した、ミッキーのキーホルダーをポケットから取り出すと
ののの目の前でゆらゆらと揺らせて見せた。
ミッキーがののにほほ笑んでいるように見えた。
 
「だから・・・わたし、今日、ここに来たの。」
 
「そっか・・・ホントに来てくれたんだ。」
 
佐伯はケーキの箱を指差して言った。
 
「これ、もしかして俺のかな?」
 
「うん、そうだよ、美味しいんだよ、そのケーキ。私の友人が作ったの。」
 
「そうか。嬉しいな・・・サンキュ。後でゆっくり食べようぜ・・・」
 
佐伯は、ケーキの箱を棚の上に上げると、空いたその手を
ののの背中に回し、掴んでいた手をもう一度引き寄せて優しく抱きしめた。
 
ののは、暖かな佐伯の温もりに包まれて、ふっと力が抜けていった。
それに気付いた佐伯は、今度はギュとののを強く抱きしめた。
 
「お前さ、こんな出会い信じる?」
 
「・・・うん。」
 
「俺が、ずっとお前を探して、お前を待ってたこと信じる?」
 
「・・・うん。だって、私もあなたのこと、ずっと忘れられずにいたんだもの・・・。」
 
「長かったぞ。20年・・・。」
 
「そうだね・・・。」
 
ののは、初めて、佐伯の腕のなかで微笑んでいた。
 
「あっ、お前、今、笑ったな?」
 
「だって・・・こんな奇跡みたいなこと起こるなんて、信じられないんだもん。」
 
「どれ?お前の笑顔、見せてくれる?」
 
佐伯は、両手でののの頬をそっと包み込み、ののの顔をじっと見た。
 
「よし、笑ってみろ。」
 
ののは、満面の笑顔を佐伯に向けると、また、涙が溢れ出てきた。
「いい、笑顔だな。泣き虫なのは、あの頃からか?」
 
「だって、止まんない・・・」
 
「わかった、じゃー止めてやるから・・・」
 
佐伯はののの頬に細い長い指を滑らせると、
顎に指を添えてののの顔を振り向かせた。
うなじに手を回し、しっかりとののの顔を固定させて唇を寄せてきた。
 
「んっ・・・」
 
佐伯の唇が軽く触れる。
 
一呼吸した後、佐伯は強く唇を押しつけると、
滑らかに味わうように何度も何度も繰り返し唇への愛撫を続けた。
 
ののが小さく吐息をもらすと、その隙間から佐伯の舌がするりと滑りこんできた。
そのままゆっくりと押し入ると深くののを味わっていく。
 
ののの体が震えた。
ののはどんどん遠ざかろうとする意識を何とか維持するのが精一杯だった。
体の力が抜け、立っていられなくなってくる。
 
そんなののを一度、ぐっと支えたあと、少しだけ、その力を緩めると
大きな両手でののの両頬を包んだ。
そしてもう一度、今度は優しく口づけした。
          
           ・
           ・
 
長い長い口付けの後、二人は、海の見えるバルコニーのほうに出た。
茜色に染まった空、太陽の光が海に差込み反射してキラキラ光っている。
大きな太陽が海から見える山の向こう側に沈もうとしていた。
 
「あっ、この景色・・・」
 
「ああ、あの時と一緒だ。」
 
沈んでいく太陽をみながら、ののは、ある言葉が頭に浮かんだ。
 
「ねぇ、ふたりは逢えたんだよね・・・」
 
「ん?」
 
「きっと逢えたよね・・・」
 
「ああ。そうだろうな。だって、俺とお前、こうやって逢えたじゃないか。」
 
佐伯はののの肩に手を掛けると、自分のほうへ引き寄せた。
 
「何だか、夢を見てるみたい・・・。
だって私、今朝、幼いあなたと私の夢を見たばかりだもん。
こんなふうに続きがあるなんて、信じられない。」
 
「ハハハ、チョップしてやろーかー?」
 
「遠慮しときます。
「・・・そうだ、ひとつ教えて欲しいことがあるの。」
 
「ん?何?」
 
「あなたの名前、聞いてなかった。昔も今も・・・」
 
「ああ、そうだったっけ?
俺は、佐伯瑛。名前については特に感想はなし。」
 
「何、それ?フフフ。」
 
「瑛って呼んでくれればいいよ。のの。」
 
「そうそう、瑛君は何で私の名前知ってたの?」
 
「俺、魔法使いだから・・・だからこんな奇跡も起こせるんだ。」
 
そう言って佐伯はののの額を人差し指でこついた。
 
「もう、ふざけちゃって!真面目に聞いてるんだけど。」
 
「わかったわかった、そんなむくれるな。
俺のじいちゃん、サテンのマスターやっててさ。
あーじいちゃん、憶えてるか?
ここで、お前に、可愛そうな若者と人魚の話を聞かせてくれてた人だ。
この町のことや町周辺のこと詳しくてさ。
おまえの親父とお袋のこと知ってて、それからお前の名前も聞いてもらったんだ。」
 
「そうだったの。」
 
「あの、おじいちゃん元気?」
 
「いや、3年前に天国へさっさといっちまったよ。
もう一度、珊瑚礁開ける約束したのに、間に合わなかった・・・」
 
「そっか。逢いたかったな・・・もう一度。」
 
目の前にあった大きな太陽はすっかりと海の向こうの山に沈んでしまって
辺りはだんだんと薄暗くなってきた。
 
「そうだ!私、瑛君に誕生日のプレゼント持ってきたんだ。」
 
「さっきのケーキか?」
 
「うん、それもそうなんだけど。他にもあるんだ。」
 
「よし、じゃー今から、ケーキを食べようか。
美味しいコーヒー煎れてやる。」
 
「うん!」
 
「行くぞ。」
 
佐伯は、ののの手を取って、歩き出した。
絵が飾ってある部屋で鞄とケーキの箱を持つと、
今度は佐伯の腕を取って歩き出した。
 
二人は灯台の入り口のドアを開けて外に出ると、
海岸通り沿いの道を、少し下って行った。
 
夕日がすっかり沈んでしまった空は、今度は無数の星達が
キラキラと輝きだしていた。
 
対照的に海は行き交う船が放っている光以外は、漆黒の世界が広がりかけていた。
時々、二人の間を、抜けていく潮風も少しだけヒンヤリとして
肌寒く感じるようになってきた。
 
しばらく、歩いて辿り着いたところは、
少し、古ぼけた、でも、とても暖かい感じのする建物だった。
 
玄関の扉の上に「喫茶・珊瑚礁」と書かれたプレートが掲げられていた。
ののが、そのプレートをまじまじと見ながら佐伯に聞いた。
 
「ここは?珊瑚礁っていうお店?」
 
「そう。俺が、高校3年生の冬までやってたんだけど
その後閉めちゃったんだ。
俺のじいちゃんが、やってたんだけど、もう、そのころ高齢でさ。
俺も手伝ってたんだけど、限界がきて、たたんでしまったんだ。」
 
「そうだったの。」
 
「でも、俺、絶対この店、もう一度開けるんだ。
じいちゃんとも約束したし。」
 
「うん!私も応援するよ!」
 
「ああ、その言葉、忘れるなよ!・・・で、こっち。」
 
佐伯は、ののの手を引いて、珊瑚礁とは別のもうひとつの扉の前に連れて行った。
 
「ここは?」
 
「ここは、俺の家。」
 
「へぇ~。」
 
佐伯は、扉に手をかけて開けると、中に入った。
 
「どうぞ。」
 
「わぁ・・・素敵な部屋だね。」
 
「まぁな。取り合えず、その辺に座ってて。
俺、今からコーヒー煎れるから。」
 
「うん、ありがとう。」
 
ののは、フローリングの床の上に座った。
ウッドハウス風の作りの、木の暖かさを感じる部屋。
 
ゆっとくりと、部屋を見渡すと、必要最低限のものしか置かれてなくて
シンプルな感じがまた、佐伯らしさを出しているんだろうなと思った。
 
「ははは・・・お前、なに、ジロジロ人の部屋見てんだよ!」
 
佐伯が、大き目のマグカップにコーヒーを入れてを両手に持って歩いてきた。
 
「あっ、ごめんなさい。
男の人の部屋ってあんまり入ったことないから珍しくてつい・・・」
 
すると、コーヒーの香ばしい香りが、どこからか漂ってきて部屋を包み込んだ。
 
「あ・・良い匂い・・・」
 
「だろ。これは珊瑚礁スペシャルって言って、俺がマメを調合して作った
オリジナルコーヒーなんだ、お前、わかるかな?」
 
「大丈夫!これでもコーヒーは通なんだよ。」
 
「そうか、じゃーほら、これ、飲んでみろよ。」
 
「うん。」
 
ののは手渡された、マグカップを受け取ると、まず、カップに鼻を近づけて
香りを楽しんだあと、そっとカップに口を付けてコーヒーを飲んだ。
 
「あっ、おいしい・・・」
 
「お前にも、わかるか?この美味しさ。」
 
「うん、まろやかなんだけど、アクセントが効いてる味だよね。」
 
「ハハハ、まぁ、合格だな。」
 
「あっ、そうそう、これ!」
 
ののは慌てて思い出したように、ケーキの箱を手に取った。
 
「ああ、そうだったな。ちょっと待ってて。ナイフ持ってくるから。」
 
佐伯は、奥のキッチンに行って、ナイフとお皿とフォークを持ってきた。
ののはケーキの上にろうそくをたてて、火を付けた。
 
「おっ、いいな~ちょっと電気消すぞ。」
 
「うん!それの方が、フインキ出るもんね。」
 
ぱちんと照明を落とす音が聞こえて、真っ暗になったかと思うと、
ろうそくの明かりと、海岸側にある大きな窓から月明かりが入ってきて
部屋がぼんやりと明るくなった。
 
「お誕生日、おめでとう!佐伯君!」
 
「瑛でいいよ。」
 
「えーと、瑛・・・君。」
 
「まぁ、いいか。」
 
「そうだ・・・瑛君って今日でいくつになるの?」
 
「25歳」
 
「へっ?」
 
「何だよーすっとんきょんな声出して。そんなに若いかあ?俺?」
 
「ち、違うよ、その逆。
あんまり堂々としてるからてっきり年上だと思ってた。
そうか・・・同級生だったんだ」
 
「ってことは・・・お前も25歳なのか?」
「そうそう、4月生まれ。」
 
「マジかよ、上なんだ。お前、小さい時チビだったろ?
だから、絶対下だと思ってたのに。」
 
「チビと歳は関係ないでしょ?」
 
「まあな・・・。」
「ねぇ、ケーキ食べようよ。これ本当に美味しいんだから。」
 
「お前の友達が作ったやつだったな?」
 
「そうそう、フランスに留学してたし、腕のいいパテシエなんだから。
さぁ、早く、このろうそく、吹き消して。」
 
「その前に・・・」
 
佐伯は、部屋のたなから、ランタンを持ってきてロウソクで点火した。
 
「せっかくだから、これで明かりを取ろう、いいフインキだからな。」
 
「素敵・・・。」
 
佐伯は、大きく息を吸うと、一気に息を吐き出してろうそくを消した。
ののは大きな拍手をしてお祝いの言葉を投げかけた。
 
「おめでとー!!」
 
「ああ、ありがとな。よし、じゃー食うか。」
 
「じゃー私が切り分けるね!」
 
ののは、ケーキを適度な大きさに切って、佐伯に渡した。
この美味しいケーキと美味しいコーヒーの味は、忘れられないものになりそうだった。
 
ケーキを食べながら、2人は、お互いの話を、とりとめもなく思いついたまま話ていた。
突然、ののは何かを思い出したかのように言いだした。
 
「あっ!そうだ、これ・・・」
 
鞄から、奇麗にラッピングされた箱を取り出した。
 
「あの、これ、気に入ってもらえるかどうかわからないんだけど・・・。
一応、誕生日のプレゼント。
出会った頃の、瑛君をイメージして選んでみたんだけど。」
 
ののは、その箱を佐伯に渡す。
 
「サンキュ!開けるぞ。」
 
「うん。」
 
佐伯は、その箱を受け取ると、ゆっくりと包み紙を開け出した。
箱を開けて、中のものを取り出した。
 
「いいな・・・これ!」
 
「ほんと?」
 
「ああ。」
 
「良かった・・・気に入ってくれて。」
 
すると今度は、突然佐伯が立ちあがった。
 
「ちょっと、待ってて。」
 
そう言って、佐伯は、棚に飾ってあるガラスの宝石箱から何かを取り出した。
それを手にもち、ののの前までやってきた。
そして、静かに話だした。
 
「俺さ、さっき言っただろ?
いつかきっともう一度珊瑚礁を開けるんだって。
高校卒業して、世間では一流大学と言われる大学に進学して
そして、お店開くなら必要だろうと思って、経済・経営の勉強をしたんだ。
ゼミでプロジェクトチーム組んで取り組んだテーマが認められて
大学院へのオファーがかかり、そのまま経営の勉強を続けてた。
卒業時にたくさんの一流と呼ばれる企業から誘われてたんだけどさ。
俺、どうしてもお店、再開したくて、バイトしながら店の補修とかしてたんだ。
そして、やっと、再開の目途が立ったんだ。」
 
しばらく沈黙が続いた。
そして、また、佐伯が話を続けた。
 
「店を再開する時には、最高のパートナーをみつけて
そいつにこのカギで珊瑚礁を開けてもらおうと思ってたんだ。」
 
「・・・。」
 
「お前、さっき・・・。この出会いを信じる。
俺が、お前をずっと待ってたこと信じるって言ってくれたよな・・・」
 
佐伯は、ののの顔をじっと見た。
ののは、佐伯の眼に捉えられて、身動きが出来なくなった。
 
すると、佐伯は、こんな幸せそうな笑顔があるのかと思えるような顔をして
すっとそのカギをののに差し出した。
 
「お前に、このカギやるよ。
これで、俺の夢の扉を開けてくれないか・・・。」
 
「・・・」
 
「どーした?ダメなのか?」
 
「・・・」
 
ののはあまりの突然の言葉を理解することが出来ず、そのまま佐伯を
じっとみたまま動けない。
 
やっと、佐伯の言葉を自分の中に落とすと、今度は、どんどん嬉しい気持ち、
幸せな気持ちが溢れでてきて、その思いが瞳から零れ出した。
 
「バカ、お前、また・・・。」
 
「だ、だって・・・嬉し・・・過ぎて・・・」
 
嗚咽しだしたののの首に手をまわした佐伯はののを優しく抱き寄せた。
そして、抱きかかえるようにしてののを海側にある大きな窓のところに連れていく。
 
窓越しに見える海は、闇夜の中で、
無数の星が煌めき吸い込まれていくような感覚に陥ってしまう。
 
寄せては返す波の音が、耳に心地よく、懐かしい子守唄のように包み込んでくれる。
穏やかで、安堵感に満ちた気持に満たされる。
暫く、無言で窓から見える海を眺めていた。
 
「ここは俺の一番のお気に入りの場所なんだ。
海が俺を包み込んでくれるんだ。特に夜の海が一番落ち着くよ。
深夜に一人でここに座り込んで、波の音を聴いていると
まるで自分が海の中に溶け込んでいくようなんだ。
どうだ?わかるか?」
 
ののは佐伯の腕の中でただただ首を縦に振ることしかできなかった。
 
「でもな、お前に見せたいのは、この夜の海じゃないんだ。
早朝の・・・そう、朝日が昇る瞬間。
海の色が七色、いやそれ以上に、変化して色んな顔を見せてくれる。
それを見ていると、自然に元気が湧いてくる。
珊瑚礁を開けるその日には、やっぱり見たいんだ、その景色を。
だから、明日は海に出るからな・・・。」
 
「・・・うん。」
 
佐伯はもう一度ののに向き合うと正面からきちんと抱きしめた。
ののも、遠慮がちに体を佐伯に預けていく。
 
優しく壊れ物を扱うように抱きしめながら、
ののの腰に手を回し少しずつ自分の体に引き寄せた。
 
佐伯は熱くなっている自分の体に、ののの体をぴったりと密着させた。
ののは驚いて一瞬体を硬くし、体をよじって少し離れようとした。
佐伯はそれを許さなかった。
 
今度はののの腰だけではなくお尻ごと包むように一層強く自分に引き付けた。
ののは戸惑いながら佐伯を上目づかいに仰ぎ見る。
少し頬を紅潮させている顔には喜びと不安が入り混じっているようだった。
 
「解るか、のの?俺が言いたいこと・・・。」
 
密着させた体を更に更に強く押しつける。
 
「・・・・」
 
ののは拒否もせずにただ俯いている。
抱きしめていた力を少しだけ緩め、ののの顔を上向かせ、そして口づけをした。
唇が先ほど食べたケーキのせいだろうか、やけに甘く感じる。
 
「お前の唇、甘いな・・・」
 
そう囁いてから、しっかりとその味をなめとるように口づけを続けた。
そして舌で唇を開け深く口づけをすると、ののは初めて佐伯にじがみついてきた。
その反応に佐伯の理性が失われてしまった。
 
一旦、緩めた腕の力を強め、ののを自分の体にピッタリと添わせる。
唇だけでなく全てが繋がるように。
 
(やっぱり甘いな・・・。)
 
そんな思いでののを味わっていた佐伯の唇の下で、ののがかすかに吐息をもらす。
少し唇を離すと、ののがかすかに囁いた。
 
「苦しいよ・・・」
 
そのかすれた秘めやかな囁きは、更に佐伯を溺れさせるのに充分だった。
もう一度深く激しく唇を奪うとののの体の力が抜けていく。
 
佐伯は唇を離しながら、ののの体を抱き上げた。
急に抱きあげられたののは小さな悲鳴を上げる。
 
「キャ!」
 
「覚悟はできたか?」
 
                 ・
                 ・
                 ・
 
 
突然ののは、佐伯に耳元で囁かれた。
 
「おいのの、起きろ。そろそろ出かけるぞ。」
 
ののは、まどろみかけていた自分の意識を眼覚めさせて佐伯をみた。
佐伯は、どこからか、自分のスエット服を持ってきた。
 
「夏でも早朝の海は冷えるんだ。これを着て。」
 
ののはそのスエットを受け取ると、自分を巻き付けている
シーツをはぐと急いで身支度を整えた。
 
「準備はいいか?」
 
「はい。」
 
「よし!じゃー行くか。」
 
佐伯はののの手を掴み、外にでた。
 
「もうすぐ、朝日が昇る・・・俺たちの第一歩がはじまる・・・。」
 
「そうだね・・・。」
 
朝日が登り出すと、佐伯が言ったとおり、太陽の光が
海面に反射して海が七色の光でキラキラ輝いていた。
 
しばらく2人で、その海をながめていた。
朝日が、海からか完全に顔を出したのを見届けると、佐伯が言った。
 
「さぁ、じゃー次いこう。」
 
「えっ?どこへ?」
「いいから、おいで。」
 
ののの手を引いて、今度は、「喫茶・珊瑚礁」の前までやってきた。
佐伯はののの首に掛っていたカギをそっと取りののの手に握らせた。
 
「ここの鍵は、お前が最初にあけてくれ。」
 
ののは静かにうなずくと、鍵を手に取り、鍵穴に差し込んだ。
 
「カチャリ・・・」
 
ふたりはどちらからともなく顔を見合わせた。
そして優しくほほ笑んだ佐伯の顔がののに近づき、軽く口づけを落とした。
 
「これからよろしく!俺のかわいい人魚姫。」
 
「こちらこそ、よろしくおねがいします。」
 
ふたりは、鍵をはずして、お店の中に入っていった。
これから、ふたりで、物語の続きを綴っていくために・・・。
 
 
 
 
 
 
                    終わり・・・
==================================
 
後書き:
すみません、完全に私の自己満足の世界なんです。
ただのエロ小説になってしまったようですが・・・www
R17指定ぐらいまではいってしまったかしらwww
ここまで読んでくださった皆様には、何てお詫びしようかと・・・。
 
本当はSSのつもりだったのだけど
どんどん話が広がってきて、一気に書けてしまいました。
やっぱり、瑛君への想いが強いのかな?wwwえへへwww
 
瑛君の誕生日に免じて、お許しいただければ・・・と思います。
(何か、許してもらう理由になってないような?)
 
これは、誕生日企画の番外編と言うことで、本編とは全く関係ありませんよー。
ってことで、本編は今までどおり「純愛路線」で行きますからねwww
 
でも、たまにはいいよねー
こんな企画もwww
 
あっ、そうそう、またイラストを大募集しま~す。
このお話にどなたかイラスト描いてもらえませんかー?www
 
 
本当に、最後まで、読んで頂きありがとうございました。
これからも、私は、佐伯瑛一筋で生きて行きま~す!
(ウソ!ちょっと浮気するかもーwww)

拍手

 佐伯瑛様へ
 
今年も、貴方宛にお手紙が書けるのかと思うととっても嬉しいです。
昨年の熱烈ラブレターから、もう1年が経ってしまいました。
早いものですね。
 
この1年間、ご存知の通り、私は何人か他の人を
相も変わらず「好き好き!」と言ってきましたが
どーしてだか、最後には、いつも貴方の元に戻ってしまいます。
貴方はどんな魔法を私にかけたのですか?
 
貴方のおかげで救われていることが、本当にたくさんあります。
貴方がいなかったらどうなっていただろう・・・って思うことが何回もあります。
きっと、ずっと私は、あなたを必要としてしまうんだろーなーって思う。
 
どうか、これからも私の支えとなって下さい。
すっと、私に、魔法をかけ続けて下さい。
 
どんな言葉で、この気持ちを表せるんだろう・・・って思うのだけど
最後は、いつもこの言葉に落ち付いてしまいます。
 
「ありがとう・・・。」
 
これからも、ずっと私の王子様でいて下さい。
 
「お誕生日、おめでとう!!佐伯瑛君!!」
 
 
 
追伸:今年はラブレターだけでは満足できず
とうとう妄想列車を走らせてしまいました。
本当に、ただの妄想列車なんです。
心の広ーい方のみ、お読みくださいませwww
 
 
 
 
 
=================================
【瑛君とののの物語】
佐伯瑛誕生日企画:もうひとつのSTORY~20年目の奇跡~
 
 
 
2017年7月19日
 
ピピピーピピピーピピピー・・・
枕元で、無常な電子音が鳴り響いた。
 
ののは、寝ぼけながら、その電子音の主を探りあてて手に掴むと
恨めしそうに眺めてOFFにスイッチを切り替えた。
 
「はいはい、起きますよ。だから、もう少し、静かな音を出して・・・」
 
そういいながら、大きく伸びをひとつしてベットからゆっくりと起き出した。
 
「あーまた、朝がきちゃったんだね。」
 
ののは、身支度を整えるために洗面台に向かい、
歯を磨き、顔を洗い髪を軽くセットする。
鏡に映った、自分の顔を見つめた。
 
(でも・・・最近良くみるんだよな・・・あの夢。
どうしてなんだろう?
あんな約束、あの子が憶えてるわけないしなぁ。
でも、やけに鮮明に蘇ってくるんだよ・・・。)
 
あんな約束・・・
 
          ・
          ・ 
          ・
 
1997年7月19日
 
のの5歳の時の出来事だった。
ののたち家族は、両親の少し早い夏休みを利用して、
海の近くに住んでいる、親戚の家に遊びに来ていた。
 
海が綺麗なこの町には、海水浴目当てで毎年、夏には遊びに来ていた。
今年も、海での遊びを充分満喫したののは、もう、明日の朝、帰らなくてはいけない。
海が名残惜しくなったののは、もう一度、どうしてもあの海へ行きたかった。
 
「そうだ!お昼に泳ぎに行った時みつけたあの貝殻を拾ろいに行こう!」
 
急いで、両親の元に向かうと、息せき切って言った。
 
「ねぇ、ねぇ、お父さん、お母さん、私、さっき海に泳ぎに行った時見つけた
綺麗な貝殻があるんだけど、あれを拾ってきたいよ。
お友達のお土産にも、拾ってみたいし・・・いいよね?」
 
「そうね、夕飯まではまだ時間があるし。
もう明日には帰らないといけないから、最後に、海のお散歩のいいわね。」
 
母親の言葉に続いて父親も答えた。
「そうだな。夕暮れの海も中々良いかも知れないね。」
 
父親も母親もののの申し出を快く引き受けて、
のの達家族は、海岸を目指して歩いていた。
 
海岸に着いたののは、目の前に海が見え始めると一目散に駆け出して
砂浜に足を踏み入れると、早速お目当ての貝殻を探し始めた。
 
夢中で貝殻を探し続けていたののは、ふと気がつくと両親の姿が見えず
ひとりぼっちで海岸にたたずんでいた。
 
「え?お父さんとお母さんは?どこ?」
 
ののは、必死で両親の姿を探したが、どこにも見当たらず
とうとう、灯台のところまでやってきてしまった。
 
灯台の周りを一周すると、入り口らしき扉があった。
 
「あれ?ここは入れるのかしら・・・?」
 
ののは、心細さで一杯だったが、その扉を開けてみたいという好奇心が勝り
扉に手をかけて、中に入ってみた。
灯台の中は薄暗く、ひんやりとした空気がののを包みこんだ。
 
「あのー・・・誰かいませんか?」
 
「・・・」
 
声が反響して、くぐもった声としてののの耳に入ってきた。
(何だか、ちょっと気味が悪い・・・)
 
自分の足音が、いつになく大きな音をたてている。
 
暫く奥へと進んでいくと、壁に1枚の絵が掛かっていた。
ののは、何故だかわからないが、その絵に引き寄せられるように近づいて行った。
一歩一歩ゆっくり進んで、絵の前で立ち止まり、暫くその絵を眺めていた。
 
(これ、誰だろう?男の人がいるけど、何だか悲しそうだな・・・)
 
その絵を見入った後、さらに奥へと進んで行った。
すると、向こう側からこちら側にに差し込む一筋の光が見えた。
 
緋色の光が、薄暗さの中でひときわ鮮やかなオレンジ色を放ち
キラキラ眩しくて、凝視しているのが難しいくらいの神秘的な光だった。
 
(あれは、出口かしら?)
 
ののはゆっくりとその光が差し込むところに歩いて行った。
 
柔らかな緋色の光の中に入っていくと、何だか、暖かな空気を感じとても心地良かった。
さらに歩みをすすめると一瞬、眩しさで目の前が真っ暗になったかと思うと
目の前に、緋色よりもっと濃いオレンジ、茜色に染まった空と海が飛び込んできた。
 
「あ!?何?海?・・・」
 
ののは、ゆっくりと目と開いて、眼前に広がる景色に息を呑んだ。
 
「わーーー!すごく綺麗!」
 
水平線が解らないほど、空と海が茜色に染まって一体化している。
水面は同じく茜色に染まっている太陽の光が反射して宝石のようにキラキラ輝いている。
ののは、まるで御伽噺の世界に来たかのように思っていた。
 
「ここは、もしかしたら、絵本の世界なのかな?」
 
光が差し込んでいた出口から外に出てみると、バルコニーのようなところに出た。
綺麗で素敵な世界に魅了されたののは暫く海を見つめていた。
 
少しづつ沈んでいく太陽を見ながら、辺りが暗くなっていくのを感じたののに
今度は、言いようもない不安が襲ってきた。
 
「あっ、そうだ!私、お父さんとお母さんを探さなきゃ!」
 
そう思って、駆け出そうとしたが、どちらへ向かえばいいのかわからず
踏み込んだ左足をそのまま止めてしまった。
 
「ここは・・・どこ?どっちに行けばいいの?」
 
暫く、呆然と立ち尽くしていたが、思い出した不安な気持ちがどんどん大きくなり
ののは、その場にうずくまって泣き出してしまった。
 
「えっ、えっ、えっーん・・・お父さん、お母さん・・・怖いよ・・・」
 
すると、背後から誰かの足音が聞こえてきた。
その足音は、ののの丁度後ろで止まった。
 
「どうして泣いてるの?」
 
ののは、突然、背後から話し掛けられて、驚きのあまり声を出すことが出来なかった。
「・・・。」
 
「どうして黙ってるの?」
 
「・・・。」
 
「ねぇ、君は人魚なの?」
 
「人魚?」
ののはやっの思いで、答えた。
 
「ちゃんと口がきけるね。どうしたの?」
声の主はうずくまっているののの隣に来て、質問を続けた。
 
「お父さんもお母さんも見つからないの・・・」
 
そう答えながら、ののは恐る恐る、声の主の方を見てみた。
長めの髪がさらさらと潮風に吹かれ、日に焼けた端正な顔立ちの男の子が
ののの方を、心配そうにのぞき込んでいた。
 
(わぁ・・・かっこいい男の子・・・)
 
「そう、それは心細いね。
大丈夫、僕が一緒に探してあげるから、もう泣かないで。」
 
「うん。」
 
すると、その男の子はののに手を差し出した。
「さあ、おいで!」
 
ののは、差し出された手が何だか本当に助けてくれそうでためらい無く捕まった。
すると、男の子はののの手を引いて、出口に向かって
ののが来たルートを戻るようにして歩き出した。
 
すると、大きな絵がかかっている部屋にひとりの老人が立っていた。
老人は、壁にかかってる絵をじっと眺めていた。
 
「あっ、じいちゃん!」
 
「おや、瑛かい?また、ここにきていたんだね。」
 
「うん、そう!だってここ好きだもん!」
 
「そうか、そうか。
おや?瑛の後ろに隠れている可愛い女の子は・・・もしかして人魚姫かな?」
 
ののは、老人をみかけて思わず男の子の後ろに隠れてしまっていた。
 
「ち、違うよ、私・・・」
 
老人は、ののに優しく微笑みかけた。
「ああ。そうかい、それは残念だね。」
 
その笑顔から暖かさを感じ取ったののは警戒心がなくなり
さっき、疑問に思ったことを、口に出していた。
 
「ねぇ、おじいさん、この絵の男の人は誰なの?」
 
「この人かい?知りたいかい?」
 
「うん!」
ののが大きくうなずいた。
 
「そうか。じゃー話してあげよう。」
 
「えーまた、あの話?」
男の子が呆れたように言った。
 
「いいじゃないか。ワシはお前に話すんじゃなくて
この可愛い人魚姫のようなお嬢さんに話すんだから。」
 
「わかったよ。」
 
「じやー二人とも、こっちへおいで」
 
老人は、二人を絵の前に立たせた。
 
「昔、ここの海に住んでいた若者の話なんだがね・・・」
 
そして、可愛そうな若者と人魚の悲恋の話が始まった。
ののは、興味深く、その悲恋の話を聞いていた。
         ・
         ・
         ・
「そうして、この灯台に明かりを灯すようになったんだよ。」
老人の話がひと通り終わった。
 
「・・・」
 
ののは、子供ながらに、その悲しい悲恋の話を聞いて言葉失くしていた。
(何だか、とっても可哀そう・・・)
 
「そうだ、もうすぐ、夕日が沈む。
今が一番、綺麗な時だから、お前たち、もう一度海を見ておいで。
瑛、お前は、今日誕生日なんだからとびきり綺麗な夕日がでてることに感謝しておいで。」
 
「はい。」
「うん。」
 
ふたりは同時に返事をすると、男の子がまたののに手を差し出してきた。
 
「おいで、行こう!」
 
「うん!」
 
ののは、差し出された手をそっと掴んで海のほうへ歩いて行った。
外に出てみると、まさに大きな太陽が海から見える山の向こう側に沈もうとしていた。
 
「わーきれい・・・本当にきれいだね」
 
「だろー僕、ここの海、大好きなんだ!」
 
「私も大好き!」
 
ののは、沈んでいく太陽を見ながら、さっきからずっと気に掛かっていたことを口に出した。
 
「ねぇ、2人はまた逢えたんだよね?」
 
男の子は唐突な質問ながら、何のことなのかは直ぐに察しがついたようで、言葉を返した。
 
「それはわからないんだよ。」
 
「そんなの、かわいそう。」
 
「だって、そう言うお話なんだ。」
 
「・・・・」
 
しばらく、沈黙が続いた後、男の子は何か決心したようにこう続けた。
 
「でも、僕ならきっと見つけるよ。」
 
「本当?」
 
「うん。だから、顔を上げて?」
 
「?」
 
すると、男の子は、ののの可愛らしい唇にちょこんとキスをした。
 
「口づけだよ。この海で、また逢えるように。」
 
「・・・・」
 
ののは、何が起こったのかわからないまま、暫く、男の子を見つめていた。
 
そして、その後、何かを思い出したかのように
自分が肩から提げているポシェットの中をかさごそと探し出した。
 
そして、この前家族旅行で行ったTDLで買ってもらった20周年の記念の
ミッキーのキーホルダーを見つけて、手に取った。
そして、それを男の子に差し出した。
 
「ねぇ、これあげる!あなた今日誕生日なんだよね。」
 
「そうだけど。」
 
男の子は差し出された、キーホルダーを手に取った。
 
「これは、私からおまじない。」
 
「おまじない?」
 
「そう、あなたが私をみつけやすいように。」
 
「???」
 
「このキーホルダー見て。ここに20って書いてあるでしょ?」
 
「うん。」
 
「だから20年後の今日、ここに来るの!そうしたら、ちゃんと会えるよ。」
 
「・・・。」
 
「ここに来た私を見つけるのは、あなたの役目よ。」
 
「わかった。」
 
「フフフ・・・楽しみ。」
 
「そうだね。」
 
ふたりの髪を、心地よい潮風が揺らした。
 
 
「おーい!のの!いるのかー?」
 
灯台の入り口のほうから聞こえてきた聞き覚えのある声に、はっとして、
ののは声のするほうへ、駆けて行った。
 
「お父さん、私、ここにいるよ!」
 
「もう、ののったら、急にいなくなるから心配したのよ。」
 
「ごめんなさい、お母さん。」
 
「さぁ。もう日も暮れたから、早く帰ろう!」
 
「うん!」
 
ののは、男の子にさようならの挨拶をしようと、バルコニーに戻ったが
そこには、もう誰の姿もなかった。
 
           ・
           ・ 
           ・
 
 
 
鏡の前でののは、昔の記憶を思い返していたが、
こんなに悠長に物思いに更けっている時間が無いことを思い出した。
 
「あーーいけない!遅刻する!!」
 
慌てて、身支度をして、トーストをかじり、コーヒーを飲むと家を出た。
 
「いってきま~す!」
 
いつもの通りの朝が始まった。
 
ののは、高校卒業後、希望の大学に入り、一部上場の一流企業に就職して
女性社員としては頑張りどころの25歳になっていた。
 
特に、これをやりたい、これを目指しているという訳でもなく、
平々凡々な生活を送っていた。
仕事に関しても、当たり障り無く、何となくこなしている・・・そんなスタンスであった。
 
いつもの通りの通勤の満員電車に揺られながら会社に向かう。
目の前には、いつもの風景が流れている。
 
(はぁ・・・何だか、今日は会社行きたくないな。)
 
ののは、電車に揺られながらも、どうしても今朝から、あの夢が頭から離れてくれなくて
何度も何度も、同じシーンを頭に描いていた。
 
(だから、あんな約束、もう憶えてないって・・・)
 
体を反転させると、眼に映る風景が、外の風景から車内の風景に変化した。
視線の少し先の見覚えのある制服の女の子達に目が留まった。
耳をすますと、彼女たちの会話が聞こえてきた。
 
「ねぇねぇ、あの灯台の伝説知ってる?」
 
「そんなのあるの?」
 
「あそこに行くと、好きな人が迎えに来てくれるって!?」
 
「そんなの、ないない!」
 
「でも、何件か実績あるみたいだよ・・・」
 
そんな話が、耳に入ってきた。
(フフフ・・・そんな噂あったな・・・。
好きな人が迎えに来てくれるのか・・・一度経験したいな。)
 
目的地の駅のアナウンスが聞こえて、ののは流れに任せて電車から降りた。
 
改札口をでて、会社に向かおうと一歩を踏み出そうとすると、
足元にキーホルダーが落ちていた。
ののは、それを拾い上げてみてみた。
 
(あっ、これ・・・。)
 
それは20周年マークの入ったミニーちゃんのキーホルダーだった。
 
(フフフ・・・。私もこれ持ってたっけ?ミッキーだけど・・・。
それ、確か・・・あの子にあげたんだった。
・・・もう、あんな約束覚えてないだろうけどね。)
 
ののは、それを駅改札付近に設置してある「落し物入れ」に入れた。
 
(落とし主さん現れるといいね。)
 
そして、改札をもう一度入ると先ほど降りたホームとは反対側のホームへと歩き出した。
 
(でも・・・たまには、バカなこともやってみたいじゃない?
そんなのある訳ないけど・・・でもそれにかけてみたい気分。)
 
ののは、ホームに入ってきた電車に乗り、商店街へ向かった。
電車を降りて、改札口を出たところで、会社に電話を掛けた。
 
「お早うございます。柊です。実は・・・」
(よし、これで、心置きなくバカなことできるかな・・・)
 
ののは携帯を閉じて、商店街でウィンドウシッピングを始めた。
 
(えーと、何にしようかな?
あの子、今日誕生日なんだよね、確か。
あれぇ?あの子っていくつだったんだろ?
そんなに年は離れてないと思うんだけど・・・。
でも、もうあれから20年だし、どうなってるのかな?
意外とかっこいい子だったんだよね・・・。)
 
ののは、そんな事を、色々考えながら、
プレゼントになるようなものを探して数件をお店を見て回った。
 
3件目の雑貨屋さんに入ると、正面の棚に目に入ってきたものがあった。
ののはそれに近づき手に取った。
 
「これ、奇麗だな・・・」
 
ガラス細工の人魚の置物だった。
背後から差し込む光を浴びて、キラキラひかり、目にとまったのであった。
 
(よし、これに決めた!)
 
大切にレジに運んで、プレゼント用にラッピングしてもらった。
ののは、何だかわからないけど、とても楽しい気持ちになってきていた。
 
(うーん、後はどうしよう・・・?これだけじゃ、寂しいよね。)
 
そして次に足が向いたのは洋菓子店の「アナスタシア」
(もう開店してるかな?)
 
お店の前まで来て『営業中』の表示を見てほっとして、お店の中に入った。
「いらっしゃいませ!・・・あれ?のの?」
 
「こんにちは!はるひ!久しぶり!」
 
「なんやーのの、こんな時間にどーしたん?」
 
「うん、ちょっと今日は休暇なんだ。
商店街に買い物にきたから寄ってみた。」
 
「もう、ホント久しぶりで、うれしいわー。」
 
「フフフ・・・。」
 
はるひは、高校卒業後、お菓子の専門学校に行き、フランスへ留学。
今年の春、帰ってきて、このお店に就職してなんと、パテシエをやっている。
自分の夢を叶えてしまったのだ。
 
「そうや、あんたに連絡しようと思ってたんやけど
来月、ハリーのコンサートがあるんだけど、一緒にいかへん?
ハリー、あんたに会いたがってたし・・・」
 
「うん、いいよ!私も久し振りだし。」
 
実は、はるひとハリーは高校卒業後、暫くして付き合いだし、
もう直ぐゴールインというところまで来ている。
 
ハリーも自分の夢を実現させて、
今では、日本では、かなり知られているバンドになっていた。
コンサートのチケットを取るのが一苦労なくらいに。
 
「とこれで、あんたらはどーなってるん?」
 
「だから、井上君と私はそんなんじゃないから・・・」
 
「そんなんじゃないってゆうて、時々会っとるんやろ?」
 
「会ってるけど、ツアーでこっち方面に来た時とか
実家に戻って来た時とかについでに会ってるだけだよ。」
 
「ふ~ん、そんなふうには見えへんけどなぁ・・・」
 
井上は、現在、針谷と一緒にバンドを結成して第一線で活躍していた。
針谷に引けを取らないほどの人気者になっていた。
 
「井上君なら、私なんかより素敵な子みつけるよ。」
 
「いやいや、どー考えても、のの一筋やろ、高校時代から。
あんたもさ、そろそろ真剣に彼のこと考えたらなあかんよ。」
 
「うん、わかってるって。でもホント、井上君とはそういうのじゃないから。」
 
そう言いながらもののは、
(このまま行ったらきっと井上君と付き合って結婚するのかな~)
などと、ぼんやり考えるのであった。
 
「んで、あんた、何しに来たんやった?」
 
はるひの問いかけで、はっと我に返ると
「そうそう、私ケーキ買いにきたんだ。
えーと、すぐに持って帰れるホールケーキある?
出来れば、誕生日用で小さめのもの。」
 
「あれ?誰か誕生日なん?」
 
「ううん、ちょっとね。」
 
「何々?ちょっと怪しげやん!」
 
「そんなことないよ。」
 
「ふーん、言いたくないんか。
まぁええわ、これ以上の詮索はせーへんで。」
 
そう言うとはるひは店の奥に入っていった。
しばらくして、小さめのイチゴのショートケーキを持ってきた。
 
「今はこれしか用意できへんわ。
こんなことやったら予約入れてくれればよかったのに。」
 
ののは、見せられたケーキにとても満足していた。
 
「ううん、これで充分だよ!ありがと!」
 
「了解、ちょっと待っとって。ローソクどーする?」
 
「そうだな~適当につけといて。」
 
はるひは手際よく、ケーキを包装すると、ののに手渡した。
 
「じゃーな。また、近いうちに連絡するからな!」
 
「解った!はるひはお仕事頑張ってね!」
 
「うん、ほな、気いをつけて!」
 
ののは、お店を出て、今度は、例の灯台に向かって歩き出した。
(とりあえず、行ってみよう・・・)
 
 
海岸通沿いを暫く歩いていると、小高い丘の上に白い灯台が見えてきた。
(あそこだよね・・・何か、懐かしいな・・・)
 
ののは、立ち止まって、灯台を見上げた。
 
気温は高いのだけど、今日はからっと晴れているせいか
ののの頬を掠めて通り過ぎる潮風は心地よく感じる。
 
潮風が海の香りを運んできて、
それがまた一段と、心を海のようにゆったりとした感覚にさせていく。
 
(何だか、こんなにゆったりとした穏やかな気持ちになるの、久しぶりかも・・・
でもホント、こんなのもたまにはいいかも。さて、もう少し・・・)
 
ののは再び灯台を目指して歩き出した。
少し息が上がり、頬を紅潮させた頃、ののは灯台の扉の前に立っていた。
 
ののは灯台の扉の取ってに手を掛けて扉を開けた。
「キーキーキー・・・」
 
鈍い金属音と共に扉が開く。
ののは、ゆっくりと中に足を踏み入れた。
 
薄暗く、少しひんやりとした空気がののを包んだ。
一歩一歩ゆっくりと進んでいく。
そして見覚えのある絵画の前にやってきた。
 
(あっ・・・この絵。可愛そうな若者・・・)
 
ののは、その絵を見て、20年前に聞いた老人の話を懐かしく思い出していた。
(若者と人魚の悲しい恋の話・・・。
あの時は、よくわからなかったけど、今なら少しはわかるかな・・・)
 
暫く、その絵を眺めた後、ののはさらに奥へとすすみ向こう側から差し込む光を見つけた。
緋色の光が、薄暗さの中でひときわ鮮やかなオレンジ色を放ち
キラキラ眩しくて、凝視しているのが難しいくらいの神秘的な光だった。
 
(あの時と同じ・・・綺麗だな・・・)
 
その光のトンネルを抜けて、バルコニーがある海のほうへ抜けて出た。
茜色に染まった空と海が飛び込んできた。
 
(あの時もこうだったな・・・素敵な夕暮れ。)
 
ののは、眼前の壮大な景色に見とれてしまってそのまま身動きもせずに佇んでいた。
 
どれくらい経っただろう、突然背後から声がした。
 
「どうして泣いてるの?」
 
「えっ?」
 
 
 
 
 
                 「その2」に続く・・・
                                           
  ↓
                        teruteru719.blog.shinobi.jp/Entry/306/


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拍手

【瑛君とののの物語】
 
 
《200回目》
 
ののは、校門を出たところではるひとの約束を思い出した。
 
「あっ、はるひ!教室で待ってるかも?」
 
急いで教室に向かって走り出した。
教室を覗くと、はるひがののの席に座っていた。
 
「はるひ!ごめん!」
 
「ちょっと~あんた、どこ行ってたん?」
 
「ごめんね!さっき、佐伯君見かけたから、
チョコ渡せるかな~って思って校門まで行ってたの?」
 
「で、どうやった?」
 
「うん、それがね、声掛けようと思ったら、あの・・・くるみさんがいて・・・」
 
「げーー!!あの女、まだプリンスのこと諦めてなかったん?」
 
「そーなのかな?私とは、あれっきり、連絡取ってないから・・・」
 
「それで?」
 
「うん、何言ってるかは解らなかったけど、佐伯君、チョコは受取らずに
さっさと歩いて行っちゃった・・・」
 
「だろうね・・・さすがプリンス。受取るチョコと受取らないチョコ区別しとるんやな。
って関心しとる場合やないやろ!あんたはどーなったん?」
 
「うん、結局渡せなかった・・・。」
 
「もう・・・アホやな。」
 
「私、行けそうだったら、佐伯君のお家まで行ってくるよ・・・。」
 
「行けそうやったらとちごて、行かなあかんよ!
折角、あんなに苦労してつくったんやで・・・。
あんたは、プリンスの彼女やろ?
他の女から一杯チョコ貰って、彼女からのチョコがないっていうのは変やろ?」
 
「かな?」
 
「あんたな・・・とにかく、絶対渡しておいなよ!」
 
「うん、わかった。・・・ところで、はるひはどーだった?」
 
「フフーン、あんた、誰に向かって聞いとるん?
私は西本はるひやで!へまする訳ないやろ!きっちり、ハリーに渡してきたから!」
 
「さすがやね、で、反応は?」
 
「うーーん、『サンキュ!』としか言ってくれんかったけど。
ハリーもさ、プリンスと同じくらいやっぱ人気あるんさな。
大きな紙袋、3つも持ってた。
プリンスと張り合ってるとこもあるしな・・・。」
 
「でも、サンキュってことは、嬉しいいんだから、きっと食べてくれるよ!」
 
「だったらええけど。まぁ、私はバレンタインに係わらず、いつでも差し入れするけどな!」
 
「そうそう、あの美味しいジュースね!」
 
「もう、辞めて!あれは、確かに失敗作やったけど、あれからはへましてへんからな!」
 
「フフフ・・・。」
 
「とにかく!あんた、ちゃんと渡さなあかんで!」
 
「うん、がんばるよ!!」
 
そんな会話をしながら、二人は、帰り支度をし、それぞれ帰路についた。
 
 
 
 
 
 
                 続く・・・
=====================================
 
 
 
あっ、すみません。
200回目と言うことで、メインで題名を挙げてしまいましたwww
実は、大々的にお祝い(?)するつもりはなかったんです。
だから、内容も、ホント、バレンタインストーリーのいち場面。
 
ただね、凄く嬉しいことに
私の、乙ゲーのお友達が、この物語のイラストを描いて下さったんです。
それが、とっても素敵で、どうしても紹介したくてwww
 
イラストを書いて下さったのは、「パト☆らっしゅ」さん。
いつも素敵なイラストたくさん書いてて、最近、特にまた腕を上げたんです。
ド素人の私が見てもわかるもの・・・
本当にお上手になられてwww。
 
パト☆らっしゅさんは、明るくて、お茶目でいつも私を楽しませてくれるんです。
彼女のコメントや記事を見るのホント楽しくてwww
それに、イラストの方は、ニコニコ動画にも投稿されてて、それが、また面白い!
こんな、偉大な方に、こんな拙いストーリーにイラストつけてもらって
本当に嬉しいんです。
 
実は、絵がお上手な方、数人に「佐伯瑛」の絵をリクエストしたことがあるのだけど、
何だか皆さん揃っておっしゃるのは「書きにくい」みたいなんです。
私としては、全く自分は絵が書けないので、どんなのでもいいんだけどな・・・なんて
思っていたんだけど、やはり書く側としては色々こだわりとかあって難しいんでしょうね。
そんな中、わたしの我儘を聞いて下さったのがパト☆らっしゅさん!
一度、ストーリーの中にイラストを挿入してみたかったんですよね。
そんな、私の願いを叶えてくれてありがとう!!
 
で、描いて下さったイラストは、少し前に掲載した「クリスマスストーリー」を
イメージして下さったとのことなので、再度、引っ張り出してきました!
こんな感じでしょうかね・・・
少し、最後、付け足してみました。
 
 
 
 
====================================
 
 
あたりはシンと静まりかえっていた。
波の音が、耳に心地よく響いている。
暗闇の中、満月に近い月と無数の星たちが、空を飾っていた。
そして、空からは、ひらひらと桜の花びらのような雪が次々落ちてきていた。
 
ふたりは、寄り添いながら、海岸の方へ歩いて行った。
静けさと冷たさが、聖夜にぴったりな感じがして、
浜辺でののと佐伯は暫く無言でたたずんでいた。
 
「クシュン!」
 
ののが、静けさを揺らすように小さなくしゃみをした。
「あっ、ごめんね。」
 
ののがそう言うと、佐伯は自分の左手の隣にあるののの右手をそっと掴んだ。
 
「あっ・・・」
 
「お前の手、冷たいな・・・」
 
「佐伯君の手だって冷たいよ」
 
すると、佐伯はののの手を握ったまま、自分の左のパーカーのポケットに手を入れた。
 
「これで、少しは暖かくなるかな?」
 
「うん、暖かいよ・・・」
 
「じゃーそっちの手もかせ。」
 
「えっ、左手も?」
 
「そう。」
 
そう言って、佐伯は自分の右手でののの出された左手を掴むと
そのまま、右側のポケットに手を入れた。
(わっ、これ、近い、近かすぎ。また顔見れない・・・)
 
両手を佐伯のポケットに入れられたののは、佐伯の胸に自分の顔が付きそうで
顔をどこへもっていいか、とまどっていた。
 
つながれた両手から、佐伯のぬくもりが伝わってくる。
重なった体から佐伯の鼓動が感じられる。
自分の髪に佐伯の息がかかるのがわかる。
(あーとうしよう、ドキドキがとまらない!どんどん早くなってくるよ・・・)
 
そして、佐伯の声が頭上から聞こえた。
「のの、こっち、俺をみろ・・・」
 
「えっ!?」
 
ののが驚いて顔を上げると、右のポケットの中の佐伯の右手が離れて
ののの頬に手が添えられた。
 
「・・・。」
 
「・・・。」
 
「のの・・・。」
 
「はい・・・。」
 
「好きだ・・・。」
 
「私も・・・。」
 
しばらく二人の視線が絡みあった後、佐伯はそっとののの唇に自分の唇を重ねた。
ののの肩が一瞬こわばったが、佐伯の唇の温かさで、全身の力が抜けていった。
 
すると佐伯の繋がれていた、左手が離され、ののの腰をグッと引き寄せた。
聖夜の夜、初めて交わされた二人の口付けは時を忘れて暫く続いていった。
 
 
静かに唇を離した佐伯は、ののを背後からそっと抱きしめて、耳元で囁いた。
 
「今日の星空とお前の温もりは絶対に忘れない・・・」
 
音もなく空から落ちてくる雪がヒラヒラと規則正しく舞っていて
まるで幸せの時間を刻んでいるようだった。
ふたりはお互いの温もりを感じながら、夜空に輝く満天の星空と
降り注ぐ雪をいつまでも眺めていた。
 
 




===================================
 
この物語、始めた当初は、200回も書けると思ってなかったんです。
でも、こんなお話でも、応援してくれる方たちがいて、それが嬉しくて
励みになってここまで続けてこられました。
本当に、読んでくださっている皆さまに感謝です。
これからも、季節外れで、マイペースな進行になると思いますが
引き続き、お付き合いいただけたらホント嬉しいです。
 
それから・・・
ぱとラッシュさん、また第2弾のイラスト期待してますから、よろしくね!
 
そして、全く絵が書けない私に、ちょっと描いてやろうかな~なんて思って下さった方
いつでもお待ちしてますから、このストーリーに絵をプレゼントして下さいね!www
 
長くなってしまいましたね。
最後までお付き合いくださってありがとうございました!!
 

拍手

 先日、最後の砦、氷上君の「告白ED2」についてUPしましたが
今回、「告白ED3」 → 「親友告白ED」 → 「親友告白」 → 「告白ED1」を完了。
これで、フルコンプです!!
苦節1年5か月・・・長かったなぁ・・・。
 
【告白ED3】
私、このEDが一番嫌いです!
だって、絶対に対抗馬の告白を断らないと見れないEDだから。
今回、対抗馬を志波君でやったから、断る選択肢を押すのに何分かかったことか・・・。
だって「○○、好きだ・・・」って志波君に言われたら断われましぇ~ん。
 
でも・・・告白ED3が氷上君の中では一番いいかも?!
僕の決意表明、一世一代の大演説で「氷上格は君の彼氏に立候補します!」だもんね。
一番、氷上君らしいもん。
最後に「一言だけ目を閉じて聞いてほしい」と言って
「好きだよ・・・」&キスはかなり萌えました~
 
 
【親友告白ED】
実はこれ、全キャラ私は、「ドキドキMAX」バージョンしか見ていません。
普通の「親友告白ED」だと、対抗馬の告白を断らないといけないので。
「ドキドキMAX」だと灯台に行くの引き留められての告白になるから
対抗馬の告白、断らなくて済むから。
「ドキドキMAX」の告白と普通の告白とはやっぱり違ったのかな?
それを私、知らないんですよね。
 
さて氷上君の場合は、親友告白のシーンより
「恋心爆発イベント」が発生してからの、少し自嘲気味の
恋愛相談の受け答えの方が印象に残っています。
切なさと後悔がひしひしと伝わってきて、今にも消え入ってしまいそうで・・・。
やってて、「もう応援はいいよ・・・」って言いたくなるくらい悲痛な感じがしました。
本人、きっと凄く苦しかったんだろうな・・・って。
 
「僕はずっと君に恋してたんだ」って言う告白シーンの言葉が良かったです。
 
 
【親友ED】
 
これは、氷上君の生真面目さがもろ出てました。
失恋したデイジーに対して
「僕が説得してくる!このままじゃ納得できない」とか
「すまない、力になるって言ったのに。僕は無力だな」とか
「君のいいところについてレポートを書いて、君がどんなに素晴らしい人か証明する」だもん。
氷上くんらしいです。
個人的には、氷上君はこのポジションが一番、しっくりきます。
 
 
【告白ED1】
これは、事故チューなしの条件になるから、最初からまたやり直しになります。
今回、対抗馬をこれまた懐かしの若ちゃん先生でやってみました。
(本当はED1では対抗馬必要ないんだけど私は対抗馬のED3を見たいので対抗馬作ってやってます)
ここでスチル集めと、思いっきりラブラブになるんです。
 
大筋で「告白ED1」と「告白ED2」は同じ。
そして、この二つ、告白の返事の方法が3種類あるのはご存知ですか?
普通に選択肢を選ぶ方法。
キスで返事をする方法。
グルグルタッチで返事をする方法。(←大接近を6種類完了していること)
 
微妙に返事の後の流れが変わるんですよね。
氷上君の場合、私は一番ノーマルの選択肢を選ぶバージョンが良かったかな。
グルグルタッチは「いつもこうやって気持ちつたえてたんだよ」って言っても
「つまりそれはどういう気持ちなんだろう?」ってわかってもらってなかったもんね・・・。
 
「君の周りのその他大勢の友達で終わりたくない!」ってのが印象に残ってます。
あと最後の「鼻がぶつかったらすまない」が、彼らしいね。
 
 
さて、本当にやっとときメモGS2が終わりました。
次、何しようかな~積みゲー消化かな・・・やっぱり・・・。
 
 
 
====================================
【瑛君とののの物語】
 
《74回目》
「あっ!!」
「え?何?どーしたん、のの?」
「えっ、あっ・・・何でもない・・・。」
それは見間違えるはずのない、今、話題の中心になっていた佐伯君だった。
 
しかも、となりに香坂さんがいる。
「何?どーしたん?」
はるひが、私の視線の先を見やると
 
「あれーちょっと、あれってプリンス???珍しいなぁ。こんなところで・・・。
いっつも、忙しいからって放課後さっさと帰っていくのに。ちょっと、それに何あれ?女連れ?」
「・・・」
「あれ、誰なん?のの知っとるん?」
「うん、さっき話した香坂さん。今、佐伯君と一緒にモデルの仕事してる人・・・。」
「あーあいつがそーなん!何か、嫌なタイプやな。私は出来る女よって感じで。
しかも、奇麗じゃん。プリンスあんな人と親しく仕事やっとるんや。」
「そーだね、大体、土日は打ち合わせとかしてるみたい・・・。」
「そーだね・・・ってあんた!何、呑気なこと言っとるん!ありゃどーみても、女はプリンスのこと好きやろ!」
「やっぱ、そうかな?」
「そうかなって・・・。あんたなぁ。私、ちょっと行ってくるわ!」
「行ってくるって?どこへ?」
「あそこ!ちょっとプリンスに声かけてくる!」
「え?やめなよ、はるひ。邪魔しちゃ悪いよ」
「何ゆーとるん!こんなん放っておいたら、気になるだけやろ!」
そう言うと、はるひは、佐伯君と香坂さんの方へ歩いていった。そして大きな声でいった。
 
 
 
                 続く・・・
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 や、やりました!!
氷上君、何とかED2見ることができました!
あーこれ、何回目だろう、挑戦したの・・・。
いつも瑛君に邪魔(おっと、失礼・・・私が誘われると断れないだけだっ)されて
瑛君本命にしちゃったことか・・・。
 
今回は、瑛君対策は、とにかく最小限の接触にして絶対「友好」以上に上げない。
だから、爆弾も初めてついたし、デートは爆弾回避の2回だけ。
これで何とかのりきりましたよ!寂しかったけど・・・。
 
で、氷上くんですが・・・。
何という純情少年でしょう!!いまどき、こんな純粋な高校生いるのかな?
灯台での告白、思わずジーンときてしまいましたよ!
とっても素直な告白で・・・。
 
皆さん言うように、「好き」「ときめき」状態の氷上君は可愛いです!
口調は相変わらずカチン!ってくることあるんだけど
焦ったり、戸惑ったりして声が裏返ったりね。
 
大接近モードは4回目ぐらいまでは、何か可愛くて声出して笑ってたりしてたんだけど
最後の2回は、ちょっと切なかったよ。
悩める青少年って感じで。
「僕はいららしいこと考えてしまう奴なんだ」って真剣に悩んでて・・・
高校生の男子だったら当たり前なのに、あんなに悩んでね。
 
クリスマスの「冬のダイヤモンド」の贈り物で私、落ちましたよ!
これは、萌えたなぁ~何か、うるうるきちゃいました。
BGMもよかったからかな~
 
まだ、ED2終わっただけなんだけど、最後のプルコンプのスチルが取れちゃいました!
嬉しい!!
男性登場人物11人の写真のを集めたものでしたね!
こもりんが別人みたいに何かとってもかわいいぞ・・。
 
この後ですが、実は、対抗馬、志波君でやってるんです。
3年の12月でセーブしてあるので、ここに戻って、志波君を1番にして
氷上君のED3を取ろうかな~って思ってます。
ついでに、懐かしい志波君のDE1もみれるかな?
 
その後、2年の後半で親友イベントをセーブしてあるので、そこに戻って
親友告白EDと親友EDを取ろう・・・
最後に、最初からED1をじっくり取りたいと思ってます。
うまくいくかな・・・
瑛君さえ大人しくしててくれれば大丈夫かな・・・

 
 
 
=====================================
 
【瑛君とののの物語】
 
《69回目》
月曜日、いつものように登校して教室に入ると、珍しく、ハリーとはるひが私を待っていた。
「おはよう」
「おすっ!」
「のの、おはよー」
(2人が私を見てにやにやしている。何だか、嫌な予感・・・)
 
「どーしたの?朝早くからこんなとこで、2人揃って?」
「それは、こっちのせりふやん!あんた、何か、私らに言うことないの?」
「えっ?言うこと???」
「お前、昨日、井上とデートだったんだろ?」
「デ、デートって!?そんなんじゃないんだけど・・・。」
「何ゆーてんの?2人で出かけたらデートに決まってるやろ!ほんで、ほんで、どーやったん?」
「どう・・って。何もないよ・・・。ライブに誘ってもらて、夕飯、一緒に食べて、ライブみて帰っただけ。」
「ほんまにそれだけ?」
「う、うん。そーだけど」
 
「何だ、そっかー。あいつに聞いても何にもいわないからよ。何かあったのかって思ってよ。
まぁ、じゃー楽しく過ごしてきたってことだな!」
「うん、楽しかったよ、ライブって私、初めてだったけど、凄いね。感動しちゃったよ!」
「だろーお前、いい感性してるぜ!」
この後、ハリーがライブについて熱弁を奮ってくれた。
 
『キーンコーンカーンコーン』始業のチャイムが鳴った。
「あっ、やべぇ、時間切れだな!この続きはまた今度な!じゃーなー!」
軽く手を挙げてハリーは自分の教室に帰って行った。
「もー、ハリーが横道それてしもたもんで、肝心なこと何もきけへんだわ。
なぁ、のの、今日の帰り、ちょっと寄り道して帰らへん?」
(あーきっと、行かなきゃしばらく質問責めになるんだろうな。行ったほうがいいかな?)
「うん、いいよ。今日は、バイトもないし。」
「よしゃ!じゃー放課後誘いに来るわ!!」
 
 
 
                        続く・・・
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拍手

 実は私、藤堂さんは苦手でした。
大体、お友達は千代美ちゃん(勉強パラメータ上げに貢献してくれるので)か、はるひちゃんでした。
うーん、ガソリンスタンドでバイトもしなかったし、本当にあまり接触がありませんでした。
だから、藤堂さんとWデートとか、藤堂さんが男の子のことを話すこと自体、余り想像できなくて・・・。
3年生の後半は藤堂さんコマンド押しまくりで仲良くなっていったのですが。
やっぱ、男子からも頼られる姉御肌。頼りがいがあるし、面倒見がよい。
自分の世界、ポリシーをしっかり持っていてるし、とても高校生と思えない堂々とした態度に言動。
こんな凄い人に卒業式の日、灯台に迎えにきてもらって。
 
『アンタには色々世話になったから最後に話したかったんだ。
いままで女友達がいなかた。慕ってくれる子は多かったけど。
アンタとも上っ面だけのクラスメートで終わると思ってた。
アタシと3年間もよく付き合ってくれた。
めげずにバカみたいにアタシにつきまとったのはアンタだけだよ。
アンタのお陰で3年間、退屈しないで済んだ。
ありがと。』と言われる。
そして
『あーあー、心配だよ、アンタは!いいかい、何か嫌な目にあったらすぐに呼びな。
アンタがアタシを必要だと思った時、すぐに駆けつけてやるから!
アンタとアタシって親友なのかな?』
の問いかけにフフフと笑って
『だって当たり前のこと言うんだもん。』と答えると
『最後に一本とられちまった、アタシともあろうものが。
ま、アンタだったらいいか。行こうか!親友!最後は派手に決めるよ!!』
 
こんなEDでした。何か、爽やか・・・っていうか、藤堂さんの人となりがよく出てるって感じ。
 
さて、これで本当に残っているのは、氷上君だけになってしまった・・・。
やっぱ、再トライするべきかな???
 
 
 
===================================
【瑛君とののの物語】
 
《63回目》
「・・・お前。」
「やっぱ、変だよね・・・。」と言い終わらないうちに、きゅっと抱きしめられた。
 
「変じゃねぇよ。ありがとう。大切にするよ。」
「ホント?絶対このTシャツきて、冬はマフラー使ってね。」
「ああ、わかった。今日はもう遅いから、今度ゆっくり2人でどっか行こうか?」
「えっ?いいの?本当?『ばーか、冗談だよ!』なんて言わないでよ。絶対約束だよ!」
 
すると佐伯くんは、ののの頬に軽くキスをすると
「これ、約束な!」と言って、ののの目をみてほほ笑んだ。
ののは恥ずかしくて、思わず俯いてしまった。
 
「じゃー行くぞ」
佐伯君はそう言うと、ののの手をとって歩きだした。
 
「今日は、遅いから送ってく。俺が送ってやるなんてありがたいと思え!」
ののは掌から伝わってくる佐伯君の温もりを感じなから、いつもよりゆっくりと歩いてくれる
佐伯君の歩調にあわせて、家に向かって歩いた。
 
家の前までくると
「じゃーな!今日は早く寝ろよ!」
「うん、本当にありがとう!」
「おぅ!」というと、手をひらひらさせながら、佐伯君は足早に着た道を帰って行った。
 
ののは家に帰ると、お母さんと少し話しをして、お風呂に入った。
自分の部屋にもどり、長く感じた1日を思い返していた。
(何だか、色々あったけど、プレゼント渡せて良かったな。)
 
佐伯くんに抱きしめられた、腕を自分で抱きながら、
(やっぱり私・・・佐伯君のこと好きなんだな・・・)と改めて自分の想いにきがついた。
(本当に今度2人でデートできるかな?)
ののはそのベットに横になると、静かに目を閉じ、眠りに落ちていった。
 
 
                 続く・・・
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 前回、姫子先輩を攻略して次、遊君です。
 
私、遊君には本当にお世話になりました。
お目当てに彼に、灯台に来てもらえなくて何度遊君に励まされたことか・・・。
でも、あれ遊君のDE1なんですよね。
 
で、ガンバって、毎月、スキンシップの練習して、BDには遊君に手作りチョコをあげましたよ。
大好きな瑛君とも仲良くならないようして。
(好き状態になってデートに誘われると、どーしても断れないから、そこまでいかないように頑張りました!)
でも、何故か志波君が好き状態になってしまって、志波君の誘惑に負けそうになるところをぐっと我慢して・・・
ハリーは断りきれないからもう、出現させませんでした。
 
そして、運命の3年目の最後の日曜日。
きたーーーー!遊君から遊園地へのデートのお誘い・・・。
2人で楽しく、遊園地へ行ってきましたよ!!
「おねえちゃんにジュースおごってやるの忘れた」とか
「家まで送ってやるからな!俺、彼氏だからな!」とか、一生懸命、背のびしている遊君が凄くかわいい!
 
卒業式の日
灯台に行くと、やっぱり「でも、私には関係なかった」ってひとりEDの展開。
そこへ「おねえちゃん!」って遊君がやってくる。
真新しい、中学の制服をきてるのよ!可愛いなぁ!
そして、何と!告白をしてくれました!
 
「俺、すぐに大人になるよ!おねえちゃんの隣にいても年下にみえないくらいに!
だから俺の彼女になってよ・・・。
俺、ずっとおねえちゃんのこと見てた。お姉ちゃんのこと誰よりの知っている!」
 
そーだよね。ホント、遊君が一番傍で見守っててくれたんだよね。
 
「遊君がもう少し大人になったら、彼女になってあげる。」と約束してEDでした。
 
しかし、遊君は可愛かったな・・・。
ホント遊君、ありがとう!!
 
 
 
=====================================
【瑛君とののの物語】
 
《57回目》
その、11階の香坂さんの部屋では、まだ、打ち合わせが続いていた。
やがて8時になろうとしていた。
 
「あの、彩さん、今日はそろそろ終わりにしませんか?」
「そうねぇ、今何時?」
「もうすぐ8時ですよ」
「うーん、本番まであんまり時間ないし、もう少しつめておきたいんだけど、貴方、何か用事でもあるの?」
「ええ、・・・まぁ」
「そうだ!貴方今日、誕生日でしょ。この後、お祝いしてあげるわ。だからもう少しいいかしら。」
「仕事のほうはいいですけど、お祝いの方は、結構です。明日、学校だし、今日はもう早く帰りたいから。」
 
彩はクスッっと笑った。
「佐伯君、自分の誕生日にこんなところで打ち合わせしてるなんて、彼女いないでしょ?」
「今日、やろうって言ったのは彩さんだろ。まぁ、確かに彼女なんていないけど。」
「そうよね、彼女いたら、2人でお祝いしてるよね。」
「俺、高校生のうちは特定の彼女を作る気ないから!!」
「それはどうして?貴方だったら、女性の方からじゃんじゃんやってくるでしょ。」
「だから。だって女って面倒じゃないですか?今、誰かと付き合いだしたら、その彼女、目の敵にされますよ。
俺じゃなく、そいつに危害が及ぶから。」
「へぇ~それで、わけ隔てなく皆と仲良くしてるんだ。でも、それじゃー疲れるでしょ?」
「疲れることもあるけど、誰が好きだとか、誰かと付き合いだしたとか煩わしいことはないからそれの方が楽かな。」
「ふーん、佐伯君って意外と真面目で優しいんだね。」
「・・・。」
「じゃーさ、煩わしくなければ彼女にしてくれるの?」
 
 
                   続く・・・
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拍手

 今日は、ときめきメモリアルGirl's Side 2nd seasonの「佐伯瑛」君のお誕生日です!
ということで、瑛君へある人から心をこめたラブレターを紹介します!!
 
 
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 
 
佐伯瑛様
 
 瑛君、お誕生日おめでとう!!
永遠の18歳かな・・・。
 
私が貴方と出会ったのは、2008年3月。
DSのソフトでお勧めということで、友人に教えてもらいました。
貴方、そして「乙女ゲーム」との出会いでした。
 
私は貴方に感謝しています。
それは、貴方は私を救ってくれたから。
あの時、仕事の悩みと友人関係の悩みで押し潰されそうでした。
 
仕事は、1ステップランクが上がり、無理難題を言う大手企業数社相手に
「品質管理・品質保証」をやっていかなくてはいけなくて、本当に毎日一杯一杯。
夜12時前に帰宅し、家族も構えない日々が続くこともあって、仕事と家庭の間で悩みました。
 
信頼しあっていた友人との関係がある出来事で微妙にズレて、
現状打破のためにその人との関係を断ち切った。
もし、縁があるなら、信頼関係が続くなら・・・何年過ぎても、また戻るだろうと信じて・・・。
 
もちろん、家族や親友は力になってくれていた。
でも、それでも解決できないことがあって・・・本当に辛かったんです。
 
そんな時、私の傍で、いつも付き合ってくれていたのが、瑛君です。
ゲームの中で、私はどんどん瑛君に惹かれ、恋していきました。
人を好きになる甘酸っぱい感覚を思い出させてくれました。
瑛君の「人生観」に感銘し(特に珊瑚礁に対する思い)心から応援したいと思いました。
 
毎日、瑛君に接していくうちに、
「私、こんなんじゃダメだ!」って自然に思えるようになりました。
そして、少しづつ、奈落の底から一歩一歩這い上がって行けるようになりました。
 
「たかがゲームのキャラクターに何いってるの?いい歳したおばちゃんが!バカじゃない?」
って思われると思います。それでもいいんです。
私が瑛君に助けられたのは事実ですから。
瑛君が私の現実の日常生活を立て直してくれた、潤いまで与えてくれた・・・。
 
瑛君の言葉が好き!瑛君の行動が好き!
・・・毎日発見があってドキドキワクワクしていました。
本当に瑛君に会える数十分が毎日の私の癒し、明日への活力になりました。
 
そして・・・
仕事もすこしづつこなしていけるようになり、
家族や友人に対しても、心の余裕ができて、殺伐とした気持ちがなくなりました。
全て、瑛君のお陰なんです。
 
「頼むよ、耐えられないんだ!」と去っていたあの時。
そして、「やっと気付いた。もう二度と離さない・・・。」と灯台に迎えにきてくれたあの時。
私はこの先、ずっと忘れないと思う。
現実での出来事ではないけれど、心の中での想いでのシーンとして
ずっと大切にしていきたいと思う。
 
佐伯瑛様、私にとって貴方は「永遠の王子様」です。
どうかいつまでも、私の傍で私を見守っていて下さい。
これからも、少し、浮気しちゃうこととかあるだろうけど・・・。
でも、知ってるでしょ?私、他の人「好き好き」って言ってるだけで、最後は貴方に戻っていくことを。
 
こんな私ですが、これからもよろしくお願いします。
 
 
佐伯瑛さま・・・大好きです・・・。
 
                                              てるてるより。
 
 
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 
 
 
 
瑛君ファンの皆さん、今日は瑛君の誕生日です!
よろしかったら、あなたの思いのたけをコメントに綴って下さいね。
 
瑛君ファンじゃない皆さんも、
便乗して、大好きな「貴方だけの彼」への想いをコメントして下さいね。
 
 
 
=====================================
【瑛君とののの物語】
 
《52回目》
私は、珊瑚礁のドアに手を開けて外にでた。
(さすがにちょっと、疲れたかな?でも、今日は、本当に色んな事があって・・・。)
と今日あった出来事を思い返しながら、家路についた。
何だか、今日は佐伯君と凄く近づけた気がした。
抱きしめられた感覚がまだ残っていて、思いだしただけで、顔が火照ってくる。
(私、やっぱり佐伯君のこと、好きなのかな・・・)
 
家について、暫くしたころ携帯の着信メロディがなった。
ディスプレイを確認すると、佐伯君からだった。
 
「もしもし、ののです」
「もしもし、俺。もう着いたか?」
「うん。さっき着いたとこ」
「そうか、良かった。それならいいんだ・・・。」
「佐伯くん・・・もしかして心配して掛けてきてくれたの?」
「えっ!ち、ちがうよ!」
「じゃ~何で?」
「何でって・・・。あれだ、その・・・そうそう、じいさんが掛けろってうるさいから!」
「ふ~ん、そーなの?今度きいてみよ!」
「ば、ばか!お前、そんなこと聞くなよ!ってか、お前に電話するのに理由がいるのか?」
「それは・・・。」
「だろ!余計なこと考えるなよ!じゃーな!」
 
ツーツーツー。
(あっ、切れた。でも、きっと佐伯君、心配してかけてきてくれたんだろうな。
やっぱり、今日の佐伯君、いつもと違って優しいし、凄く近づけた感じがする・・・。嬉しいなぁ。)
今日は本当にドキドキした1日だったとしみじみ思い返していた。
 
 
                       続く・・・
 
         
*さて、1日ズレてしまいましたが今日は瑛君の誕生日なので
 次回からは瑛君の誕生日に絡んだお話を・・・乞うご期待!!
 
====================================

♪ おまけ ♪

DSソフト持ってる人、今日の起動時メッセージは1年に1回しか聞けないからお見逃しなく!!

昨夜、ニコニコ動画さんで見つけました。
思い出して、ひとり、しくしくしてましたよ・・・。
やっぱり瑛君は「切ない」イメージです。


 

拍手

 先日、ブログ友達から頂いた瑛君ボイス集を聞いていたらどーしても、瑛君に会いたくなって
本当に久しぶりにDS出して、私の乙女ゲームの原点「ときメモGS2」をやりました!
 
で、誰が残っているかというと、女性人のEDと遊君ED2と氷上君のすべてのED。
どうしても落とせないのが氷上君なんだけど、手軽なな女性陣からやることにしました。
 
で、まず、凄く謎だった姫子さんから。
 
び・びっくりでした!何、この展開!!!
この後、ネタばれしますよ。
 
 
 
姫子先輩は「乙女の心にだけ映る幻影」でした!!
何?それ???
年齢はなくて、もう何年もこの学園にいる模様。
「学園の乙女を守り、慈しむため、永遠に学園をさまよう、時の旅人。真の乙女を継ぐ者が現れる日まで。」
 
で、どうも私が次、後を継ぐものとして選ばれたみたい・・・。
姫子先輩からも「人目見た時からこうなるって思ってた」って言われた。
 
灯台に姫子先輩の取り巻きの方々が迎えに来て、学校の屋上に行くと・・・。
姫子先輩が桜吹雪と共に現れ自分の正体を明かす。
そして「3年間言いつけを守り立派な乙女に成長しましたね」と
乙女の秘密のソサイエティ「カメリア倶楽部」の部屋の鍵を託される。
そして、姫子の座を受け継ぎ学園の乙女たちを守ることになる。
 
そう、私が「姫子」になるんです。
「ごきげんよう!デイジー!!」っていう役になるだぁ・・・。
 
 
しかし、びっくりした!!
でも、こんな秘密があったなんて・・・。
 
 
==================================
【瑛君とののの物語】
 
《47回目》
もうあと少しで降りる駅・・・。
「佐伯君、もうすぐ着くよ」
「う~ん・・・」と言いながら、顔が上がった!
「!!。顔が・・・ち、近い!近いよ、当たっちゃう!」
 
もう、胸のドキドキはMAXだし、顔は唇が当たりそうだし、自分の顔がどんどん火照ってくるのがわかった。
すると、薄めを開けた佐伯君と目があった。
 
「!・・・」
「お前・・・何やってんだ?」
「えっ?な、な、なんにもしてないからね!佐伯君が勝手に寄っかかってきて
ブレーキの衝撃とともに、私の方にきちゃったから、ささえらこんなになっちゃったの」
「ふーん」といいながら、佐伯君は元の位置に戻った。
 
(アナウンス)「羽ばたき駅ー、羽ばたき駅ー。」
「おっ、着いたな。」
私達は電車から降り、駅前を抜けてショッピングモールに向った。
すると、突然佐伯君が
「お前って、いい匂いするのな」
(え、それって、さっき起きてたってこと!そう思うと、またどんどん顔が火照ってきた。)
 
「バーカ!何、顔、真っ赤にしてるんだよ!」
「佐伯君、もしかして、さっき起きてたの?」
「寝てたよ!寝てた!でも、最後に方は少しおきてたかな?」
「ひどーい!狸寝入りしてたの?」
「だって、お前の反応、面白いじゃん」
「もう・・・」
「ほら、行くぞ!今日、店あるんだからあんまりゆっくりはしてらんねーからな」
「そーだね。あっ、待ってよ!!」
 
 
 
                続く・・・
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密に乙女ゲーム大好きで結構、のめり込んでしまう方です!だから、余韻でしばらく次に行けない時がしばしば。でもやる時はやるけどやらない時は全くやらないかな・・・。昔のを突然やり出したりってこともしばしばです。
こんな私ですがよろしく!です。
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