× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
恋文またまた続きです・・・。
【土方歳三】
俺はこれまで女に不自由したことはない。
自惚れなどではなく、事実そうだった。
だが、恋多き人生であったかと言えば、そうでなかったかも知れない。
女のことを考えて眠れぬことなど、一度もなかったのだからな。
このままでは満足に副長としての責務を果たすこともできん。
どうすればよいか打開策を考えてきたのだが、
もはや生半可な策ではどうにもならんようだ。
だから今ここで提案したい。
もしも、おまえが俺に対して女としての感情があるのなら
今日をもって俺の女になってみてはどうだ。
もはや、その感情が不謹慎だとは言わん。
俺もひとのことは言えぬからな。
だが、他の隊士の手前、俺がおまえを女として扱うことはない。
例え二人きりになろうとな。
それでも良いというならば、前向きに考えてみてはくれないだろうか。
あまりに都合のよいことを言っていることは理解している。
だが・・・俺にはおまえが必要なのだ。
【才谷梅太郎】
よぉ、元気かえ?
実はまた仕事で西国へ下ることになってしもうた。
当分おまんと会えんようになるかと思うと、
気が滅入ってかなわん。
わしと会えん間は、おまんもさぞかし辛かろう。
そがーな辛さに耐えられんようになってしもうた時は
この手紙でも読み返してワシのことを思い出してくれりゃええ。
こがーな手紙でよけりゃ、
何通、何十通、いや何万通でも送っちゃるきに。
おおそうじゃ。
次に会う時は、みやげものを持ってってやるぜよ。
おまんも希望は、やっぱり甘いもんちゅうことになるんかのお?
わしとしては、是非ともおまんに袖を通して着物があるんじゃが・・・。
日本の着物やのうて異国の着物なんじゃが、
まぶしいほど真っ白な着物やか。
まっことおまんによぉ似合うと思うちょる。
そっちへ戻ったら、おまんのところえへ持ってくき一度着てみとうせ。
いつか来る晴れの日の、ええ予行演習になるかもしれんからのお。
はっはっは、わしも罪作りな男やか。
土方さん、手紙ですごいこと言ってる・・・
「俺はこれまで女に不自由したことはない。」とか、
「今日をもって俺の女になってみてはどうだ」とか・・・。
確かに、事実でも、土方さんは、持てた証拠が残ってるみたいだしね。
しかし、ほんと、我儘な言い分・・・やけど
「うん・・・」って言ってしまうんやろな・・・
梅ちゃんは、梅ちゃんらしいwww
「何通、何十通、いや何万通でも送っちゃるきに。」なんてwww
しかも、最後の「まぶしいほど真っ白な着物」って
ウエディングドレスのことだよねwww
さすが梅ちゃん!最先端を行ってるなwww
====================================
【瑛君とののの物語】
《213回目》
ののは、思い切ってその沈黙を破った。
「瑛君、ごめんね、こんなことになってしまって。
でも、私、これをどうしても渡したくて・・・」
そう言って、手提げ袋からチョコを取り出した。
「これ、バレンタインのチョコ。はるひと一緒に作ったんだ。
でも、私、チョコ作りは初めてだから、気に入ってもらえるかどうか・・・」
そして、箱を佐伯に差し出した。
佐伯はそれを受取ると、綺麗にラッピングされたリボンを解き、
包み紙を開き、中の箱の蓋を開けた。
「・・・。」
「あの・・・何かへん・・・だった?」
「いや。」
佐伯は中の星型のチョコをひとつ摘むと口に入れた。
「やっぱ、瑛君の目からみたら変・・・だよね。
彩さんのなんて、お店においてもいいぐらいのだったし、
くるみさんのは、手に入れるのが大変な高級品の包みだったし・・・
他にも沢山もらってたよね・・・朝から・・・」
ののは一気にじゃべると口を閉ざして、俯いた。
「お前、そんなこと気にしてたのか?」
「だって、朝から、瑛君全然、とりつくしまがなくて・・・。
いつ行っても女の子に囲まれてるし。
あっ、でも、解ってるよ、瑛君はみんなのプリンスだから
あーやって、笑顔でチョコ受取らなきゃいけないんだよね・・・」
「お前さ、それヤキモチ?」
「だから、わかってるよ、しょうがないことは・・・
でも、やっぱり傍でみてたら、気になるの・・・」
「だから、それやきもちだろ?」
「うん、そう、私のやきもち・・・。」
ののは、つまらない嫉妬をしている自分が情けなくなってきて
涙がこみ上げてきた。
「馬鹿だな、おまえ。最初から素直に認めればいいのに。」
佐伯は、持っていたチョコレートの箱を静かに床におくと
右手をののの頭に手をまわし、そっと引き寄せた。
続く・・・
==================================== PR |