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このルートでやっと加地君のこと理解できました。
ずっと、どうしてあんなにヴィオラ(多分諦めたヴァイオリンも)上手なのに
卑屈なんだろうって不思議だった。
彼は、音楽を聴く力に凄く優れていて、凡人では気づかない細かい弾き手の
秀でた部分が自然と気がついてしまうのでしょう。
それで、それぞれの弾き手の才能が否応なしに解ってしまう。
でも、それに自分が劣ることが許せず(多分プライドが凄く高いんだと思う)
超えるために練習をしてきた。
でも、個々の秀でた部分を全て超えるなんて無理ですよね。
超えられないと自覚した時、加地君は挫折したんだろうな・・・。
そしてほのかの秀でた部分は自分が一番追い求めていたもので
一度で魅せられたんでしょう。
最初は音に惹かれ、本人と接して行く中で、本人も好きになっていった。
やっぱりだたの追っかけじゃなかったな・・・。
自分が追い求めて手に入らなかった音楽への想いの強さ=ほのかへの想いの強さ
になってるから、あんなにほのかの音楽を愛し、ほのかを愛したんでしょうね。
加地君には「頑張って」とかの言葉をかけられないとか
ちょっと気を遣ってしまう部分があるんだけど
やっぱり、私も、彼は、惹かれる部分があります。
こんなに、好きになってくれたのだから、今度は加地君の才能故の苦悩を
何とかしてあげたいって思ってしまうんです。
最後のクリスマスツリーの会話、感動して涙しちゃった。
クリスマスプレゼントの涙の形の真珠のネックレス。
もう、切なかったです。何か、加地君の苦悩・悲しみの結晶みたいで。
でも、その苦悩から、脱出できそうな会話で。
「やっと才能のない自分を許すことができた」
「他の皆と同じ形でなくても音楽を好きだと思う心は変わらない」
「人と比べることをやめて音楽への愛・君への愛は変わらないって認めることができた」
「美しい音楽をほめたたえることが自分の役目」
「音楽を好きでよかった、本当にそう思える」
「君の音楽が、僕の音楽だ。君を・・・音楽を愛してる」← これで撃沈・・・。
加地君、ファータもみれることになったし、良かった良かった。
これからは、もっと楽しむ音楽ができるかな・・・って。
それを、傍で見守っていたいなって思いました。
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【瑛君とののの物語】
《126回目》
無言で向かい合って座る、佐伯と彩。
時計の音だけがやけに部屋に響き渡っていた。
沈黙を破ったのは、彩だった。
「ねぇ、佐伯君、どんな形でも構わないから、私と付き合ってくれない?」
「これも前、言ったけど、俺、今は誰とも付き合うつもりありませんから。」
「だから、彼女じゃなくてもいいのよ、軽い付き合いで。」
「軽い付き合いってなんだよ?面倒なのは嫌なんだ。」
「私、大丈夫よ。大人だから割り切り付き合いもできるから。」
「遠慮しときます。」
「何で?何で誰とも付き合わないの?健全な高校生だったら、
女性と付き合いたいって思うものじゃない?」
「俺、健全じゃないから。」
「ふざけないで。納得できる返事もらわないと引かないわよ!」
「わかったよ。じゃー話すよ。女と付き合うと、色々面倒だろ?
やれ寂しいだの、他の女と仲良くしただの、どっか連れてだの、電話・メールがないだのってさ。
俺、そんなんにいちいち付き合ってる余裕ないし、もっと大事なことがあるんだ。」
「もっと大事なこと?」
「ああ、俺さ、あの店、『珊瑚礁』をどうしても守りたいんだ。
そのために、親と色々約束してる。その約束は守らないといけない。
今はそれで精一杯で、他のこと構ってられないだよ。」
「どんな約束してるの?」
「成績を落とさないこと。トラブルを起こさないこと。」
「それで、珊瑚礁で働いていることも隠してるのね。」
「まぁーそういうこと。」
「要するに、面倒かけなきゃOKってこと?だったら、面倒かけないから付き合ってよ。
うーん、これでどう?面倒になったら分かれていいから。」
「・・・。」
「そういうことなんでしょ?何か他にこだわってることあるの?」
「面倒じゃなきゃいいって思うんだけど、今、本当に女と付き合いたいって思えないんだ・・・。」
「それって、おかしいじゃない。面倒意外に理由があるってことになるでしょ?
本当は、佐伯君、好きな子がいるんじゃないの?」
「・・・。」
「じゃー聞くけど、あの子のことはどう思ってるの?」
「あの子って、ののか?」
続く・・・
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