× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
こんばんは!てるてるです。
いよいよ今年も後、数時間で終りとなってきました。
今年は、10月以降、公私共に色んな事情で時間的な余裕がなくなってしまって
ゲームをプレイしたりやCDを聞いたり、ブログを書いたり、小説を書いたりってことが
思うようにできなくなって、ちょっと消化不良・・・。
11月中旬からは、PC自体に触ることが出来ない日とかもあって、
アプリの協力、皆さんのブログや日記を拝見すること
コメント、メールなども思うようにできませんでした。
申し訳なく思ってます。
それでも、暖かく見守って、お付き合いいただいている方々には
感謝の気持ちで一杯です。
ありがとうございます!!
年が明けたら、少しは余裕ができるかな?とも思っているのですが。
家族の入院のこと、仕事のこと、まだまだ終わらず暫く続きそうで・・・。
もうしばらくは、こんな状態かと思います。
ごめんなさい。
だけど、できるだけ、時間を作って継続したいな・・・って思ってます。
だって、私の一番大切な時間だからね!www
こんな私ですが、色んなこと少しづつやっていきますので
来年もどうか宜しくお願いいたします。
本年は、お世話になりありがとうございました!
それでは、ここ数週間、書けずにいた、
『瑛君とののの物語』を少しUPしてご挨拶を終りにしたいと思います。
よい、お年をお迎え下さい。
=================================
【瑛君とののの物語】
≪262回目≫
その日の夜、案の定、彩から研修会参加の催促の電話が入った。
佐伯は祖父の許可が下りた時点で、参加を決意していたので
参加したい旨、彩に伝えた。
すると、その後はとんとん拍子に話が進み、
12月10日から12月26日までの
15日間の研修に参加することになった。
「とにかく1日も早くパスポートだけは準備してちょうだいね!
そうそう、ちなみにその研修会、私も参加するからよろしくね!」
その言葉がやけに印象に残っていた佐伯は翌日、
早速パスポートの申請しに行くのであった。
出国までの時間、学校を休む許可をもらったり、渡航の準備等
色々とやることが重なってしまい、佐伯はののに研修会に参加する話をする
きっかけを逸していた。
話ができないまま、月日は流れ、いよいよ明日が出発の日となった。
その日、ののはバイトにお店に来ることになっていた。
いつもの通りに元気にやってきて、テキパキと仕事をこなし
夜8時、バイトが終わる時間になった。
佐伯は、祖父に許可をもらい、ののを家まで送ることにした。
店の奥で帰り支度をしているののに向かって佐伯は声をかけた。
「おーい、のの、今日さ、俺、お前ん家まで送っていくよ。」
突然の申し出にののはビックリしてしまい
すっとんきょんな声で佐伯に返事をしていた。
「えっ?何?どーしたの?急に・・・」
「何?って・・・何かないと送っていくといけないわけ?」
「そうじゃないけど・・・まだお店終わらないのにいいの?」
「今日は、これから客もあんまりこないだろうし暇だろうからいいよ。」
「うん、わかった。
それじゃーお言葉に甘えて宜しくお願いします。」
「じゃー早く着替えて準備しろよ。
店にいるから、俺に声掛けてくれ。」
「はーい。」
ののは、佐伯の突然の行動に戸惑いながらも、一緒に帰れるかと思うと
胸がワクワクして喜びがこみ上げてくるのを感じていた。
急いで着替えを済ませ、店に居た佐伯に声をかける。
「瑛君、お待たせ。」
「おう。行くか・・・。」
佐伯は、座っていたカウンターから立ち上がると、軽く息を吐いた。
「ふぅー。じゃーじいちゃん、ちょっとこいつ送って行くから、店、頼むよ。」
「ああ。ちゃんと話するんだよ。」
「わかってるよ。」
佐伯はののの背中に手を当て、店の扉へと導いた。
ののは、カウンターを振り返ると、
マスターに挨拶をして扉から出て行った。
「マスター、お疲れ様!また明日お願いします。」
「ああ、ののちゃん、お疲れ様。気をつけてお帰り。」
外に出ると、冷んやりとした空気が顔に吹き付けてきた。
「あっ、寒いね・・・」
思わずののは口から声を発していた。
「ああ。もう、冬なんだよな・・・。
今年は秋が短かったな。」
「そうだね・・・。」
すると、少しだけ先を歩いている佐伯の左手が
遠慮がちにののに向かって伸びてきた。
「ほら、手。」
「手?」
「まだ、手袋とか持ってないんだろ?寒そうだから・・・お前・・・。」
「フフフ・・・。いいの?」
「まあな、今日は特別だぞ。有難く思え。」
「もう、相変わらずだな。」
「・・・。」
「・・・。」
二人は暫く、手から伝わってくるお互いの体温の暖かさをかみ締めながら
その静けさを楽しむかのように言葉もなく歩いていた。
それが、何だか心地良く感じられた。
「あのさ・・・のの。」
佐伯は今日、話さなければならないことを、おもむろに話し始めた。
「うん、なに?」
「俺さ、バリスタの勉強しに行ってこようと思ってるんだけどさ。
数週間のことなんだ。行ってもいいよな?」
「バリスタの勉強?って・・・。
どこへ行くの?東京とか?」
「違う。ボストン。」
「へぇ?ボストン?って海外?」
「そうだよ。ボストンなんて他にどこにあるんだよ。」
「えーー!?海外?」
「ちょっと、お前、声大きすぎ!」
「あっ、ごめん。でも・・・いつからいつまで?」
「12月10日から12月26日まで。」
「え?えーーーもうすぐじゃない?それに・・・いないんだ・・・。」
「いない?何が?」
「クリスマス・・・」
「あっ、そうだな。でも居てもどうせ、店に出なきゃいけないし
忙しいからお前にも出てもらうことになるだろうし・・・
どうせ、ゆっくりなんてできないだろ。」
「そうだけど・・・」
「じゃー問題ないよな。」
「・・・。」
「どうした?のの。」
「ううん、なんでもない。」
「その研修会さ、ホフマンさんが講師なんだよ。
俺の憧れの人なんだよな。
その人に教わるなんて、嬉しいよ。」
「良かったね・・・。」
「ほんとだよ。こんな機会、一生のうちでもう無いかもしんないからな。
俺、ラッキーかもしれない…。」
「でも、どうしてそんなことになったの?」
「彩さんが、誘ってくれた。」
「彩さんが?!
彩さんのお仕事って、メンズ服じゃなかった?」
うん、そうだけど。
今度、彩さんの担当ブランドが海外にも進出するみたいだな。
それで、よく出張でアメリカに行くみたい。
そこで、仕入れてきた情報みたいだぞ。」
「そうなんだ。もしかして・・・彩さんも一緒なの?」
「ばーか。そんな訳ないだろ。
手続きとかは、全てやってもらうだろうけど、
彩さんだって自分の仕事があるんだし・・・な。」
「そうだよね・・・。」
「行くからには、俺、しっかり勉強してくるからさ。」
「うん。」
「おい、どーした?浮かない顔して・・・」
「えっ?そんなことないよ。
瑛君の夢を叶えるためだもんね!頑張ってきてね。」
「解ってるよ。」
「・・・。」
二人の間の空気が少し変わったようにお互い感じた。
続く…
来年も引き続きよろしくです!
================================= PR |